2018 Fiscal Year Research-status Report
ビタミンAを介した腸管マクロファージ・オートファジー調節機序
Project/Area Number |
17K09366
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
平賀 寛人 弘前大学, 医学研究科, 助教 (80637546)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ビタミンA / マクロファージ / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)VAD GFP-LC3IIトランスジェニックマウスを用いてDSS誘発腸炎マウスを作製し、ビタミンA欠乏状態におけるオートファゴソーム発現量・形態の変化を解析 ①GFP-LC3IIトランスジェニック(Tg)マウスでVADマウスを作製、DSS腸炎誘発 GFP-LC3II融合遺伝子を導入、GFP励起により全身のオートファゴソームが緑色蛍光を発するマウス(GFP-LC3#53 (BRC No. RBRC00806 / RIKEN BRC)を用いて解析した。 ②蛍光顕微鏡を用いてVAD GFP-LC3II Tgマウスのオートファゴソームの発現量を解析した。DSS腸炎誘発から0・1・2日後、ホルムアルデヒド環流法で組織を固定してからマウスをsacrifice、大腸の各部位(口側、中央、肛門側)をOCT compoundに包埋・液体窒素で凍結保存。凍結標本をコールドトームで薄切・蛍光顕微鏡下でGFP励起されたオートファゴソームを観察した。 (2)VAD GFP-LC3II TgマウスCD11b+脾細胞の不良ミトコンドリア蓄積を測定 前述の方法でVAS・VAD GFP-LC3II Tgマウスから脾細胞を分離、MitoSOX・Mitotrackerを用いて、細胞内に蓄積した不良ミトコンドリアを測定することで、オートファジー機能を定量・評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CD11b+脾細胞の不良ミトコンドリア蓄積の測定が遅れているが、その他計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度の計画は下記の通りである。 (1)抗IL-1b抗体またはエレンタールによるオートファジー機能のreverse効果を確認する。 ①抗IL-1b抗体・エレンタール前投与:抗IL-1b抗体(BioLegend社)を注射用水で溶解する。VAD・VASマウスを対照群と抗体投与群に分け、実験当日から計5日間、対照群には溶媒のみ、抗体投与群には50 μg/0.1 mlを腹腔内投与する。エレンタール前投与に関しては、対照群には通常通りビタミンA欠乏食を継続、前投与群には2週間前からエレンタール粉末を自由摂食させて用いる。②DSS誘発腸炎:生存率・体重曲線でreverse効果を判定する。誘発0・1・2日後に粘膜下組織のタンパクを抽出、NLRP3インフラマソーム・オートファジー関連分子を解析する。③Salmonella typhimurium経口感染:S.typhimurium Χ3306株を1X108 CFU/0.2 mlに調整し、経口感染させる。生存率・感染24時間後の臓器内菌数でreverse効果を確認する。④Listeria monocytogenes経静脈感染:Listeria monocytogenes 1b 1684株を5X105 CFU/0.2 mlに調整し、経静脈感染させる。生存率・感染24時間後の臓器内菌数でreverse効果を確認する。⑤GFP-LC3II Tgマウスを用いたreverse効果の解析:DSS誘発腸炎マウスの大腸におけるオートファゴソーム発現・形態を対照群と治療群で比較検討し、reverse効果を証明する。 (2)CD患者における血清中ビタミンA濃度の測定(炎症の活動性・エレンタール投与の有無)。 前年度に採血した新規発症CD患者から治療介入後の採血を施行し、血清中ビタミンA濃度・IL-1bをBML社に外注・委託して測定、疾患活動性・エレンタール投与量との関連を解析する。
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