2017 Fiscal Year Research-status Report
カニクイザルを使用したMHCホモ接合体iPS細胞由来MSCによるDSS腸炎の治療
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17K09379
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
小笠原 一誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20169163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 靖 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (90324566)
石垣 宏仁 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90432301)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 移植・再生医療 / DSS腸炎 / iPS細胞 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
【個体の選定】下部消化管内視鏡を行うため、ある程度体の大きい個体が必要であり、カニクイザルは雄の個体を用いることとした。腸炎モデルの治療にMafa HT1 homozygous iPS細胞由来間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells, MSCs)を用いる為Mafa HT1 heterozygousカニクイザルが必要であった。このサルの確保に時間を要したが、ようやく雄のMafa HT1 heterozygousカニクイザルを得ることができた。
【内視鏡の準備と下部消化管内視鏡の手技の確立】当初はMafa HT1 heterozygousでない通常の雄のカニクイザルを使用して、下部消化管内視鏡の前処置としてのカニクイザル腸管洗浄法を確立した。続いて、下部消化管内視鏡は麻酔下で行った。体位変換と用手圧迫を用いて挿入を行うことにより、全大腸内視鏡を行うことができた。今後、アカゲザルを用いたDSS腸炎モデル(XP Hao, et al. Nat Commun. 2015)を参考に、カニクイザルでDSS腸炎を作成し、下部消化管内視鏡を用いて評価を行う。MRIと下部消化管内視鏡を行い、腸炎の程度を評価する。また生検組織を採取し、HE染色標本を作成し、病理組織学的に検討する。
【iMSCの準備】Mafa HT1 homozygous iPS細胞由来間葉系幹細胞(iMSCs)はすでに誘導されストックされている。腸炎モデルの治療に用いるIL-10産生iMSC(iMSC-IL10)の作成を行った。IL-10とともにGFPを発現するウイルスを用いて、iMSCに感染させた。GFP陽性細胞をFACS sortingを行い、IL-10産生細胞を濃縮した。またその培養上清を用いてIL-10のELISAを行い、IL-10の産生を確かめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
29年度はDSS腸炎をカニクイザルで誘導する予定であったが、サルの選定に時間を要したために遅れが出ている。現在、DSS腸炎の作成を行っている。一方、30年度に行うことになっていた遺伝子導入iMSCのストックは29年度に完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は、DSS腸炎をカニクイザルで誘導し、遺伝子導入iMSCを移入し、治療効果を判定する。
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Causes of Carryover |
サルの選定が遅れたため、DSS腸炎の作成に至らなかったので、次年度使用額が生じた。次年度にはDSS腸炎を作成するので、翌年度助成金と合わせて使用可能である。
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