2017 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌に対するPARP阻害剤による抗癌剤増感の関連遺伝子の解明と治療への応用
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17K09389
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田中 守 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (80617861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 洋望 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (40381785)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | TMZ / MGMT / MSI |
Outline of Annual Research Achievements |
10種類の大腸癌細胞株を用い,MGMTの発現についてウエスタンブロット法により確認した.次にMSIについてはマイクロサテライトマーカーを用いたMSI検査に加え,MMR関連遺伝子(MLH1,MSH2,MSH6,PMS2)の発現をウエスタンブロット法で評価した.また,各細胞株のMGMT発現・MSIを確認した後,TMZ単剤,PARP阻害剤単剤,さらにそれらの併用の効果を,Clonogenic survival assay,WST8 assayなどにより評価し,MGMT発現やMSIとPARP阻害剤,TMZ感受性の相関を解析した.PARP-DNA複合体についてはクロマチン結合タンパク質を抽出し,ウエスタンブロット法にて評価した. MGMT knockout細胞株,MMR関連遺伝子(MLH1,MSH2,MSH6,PMS2)knock out細胞をそれぞれもちいて,PARP阻害剤単剤,TMZ単剤,それらの併用における効果,PARP-DNA複合体を評価した.また,フローサイトメトリーを用い,Propidium Iodide(PI)染色,BrdUの取り込み率により細胞周期の解析を,アポトーシスの解析は,Annexin V,PI染色を用いたフローサイトメトリーによる解析,ウエスタンブロット法によるcleaved caspase-3,cleaved-PARPの検出,TUNEL染色により行い,MGMT発現,MSIの役割を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初から予定していた,大腸癌細胞株を用いPARP阻害剤単剤,TMZ単剤,それらの併用の効果についてMGMTの発現,MSIレベルの点から基礎的な解析を行った.MGMTの発現についてウエスタンブロット法により確認する.次にMSIについてはマイクロサテライトマーカーを用いたMSI検査に加え,MMR関連遺伝子(MLH1,MSH2,MSH6,PMS2)の発現をウエスタンブロット法で評価し,さらに,各細胞株のMGMT発現・MSIを確認した後,TMZ単剤,PARP阻害剤単剤,さらにそれらの併用の効果を,Clonogenic survival assay,WST8 assayなどにより評価し,MGMT発現やMSIとPARP阻害剤,TMZ感受性の相関を解析した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はマウス皮下腫瘍モデルを用いた検討を中心に行い,細胞実験で得られた結果を検証する予定であり,平成31年度は,大腸癌の臨床組織検体を用い,MGMT,MMR関連遺伝子の発現,変異の意義について解析し,PARP阻害剤,TMZによる大腸癌治療を臨床応用へと展開するための研究を進める予定である.
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Causes of Carryover |
本年度,MGMT knockout細胞,MMR関連遺伝子knockout細胞およびコントロール細胞からmRNAを抽出し,PCR アレイを用い,DNA修復,抗癌剤耐性に関連した遺伝子の発現変化について検討する予定であったが,できなかったため次年度使用額が生じた.次年度使用額は抗癌剤耐性に関連した遺伝子の発現変化の検討に使用する予定である.
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