2017 Fiscal Year Research-status Report
CUL3依存的なコレステロール輸送に着目した抗腫瘍血管新生医薬品の開発
Project/Area Number |
17K09390
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鹿野 美千子 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (70405190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 大志 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (10771917)
城 卓志 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (30231369)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 血管新生 / コレステロール / Cullin-3 / BTBP |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮細胞の細胞膜上のコレステロールの正常な局在は血管新生に必須である事が知られている。本研究では血管新生に必須なユビキチンE3複合体の足場タンパク質Cullin-3 (CUL3)が、血管内皮細胞において、コレステロールの細胞内局在を制御する事を既に見出している。そこで、本年度においては、コレステロールの細胞内局在を制御するCUL3のアダプター分子の同定を試みた。CUL3はBTB domain containing protein (BTBP)を介して、基質タンパク質をユビキチン化する。ヒトでは183種類のBTBPが知られているが、申請者らの研究グループは細胞内物質輸送を制御するBTBPを約10分子同定している。本研究では、これらのBTBPのうち、コレステロールの細胞内局在に関与するBTBPをsiRNAを用いた発現抑制実験で探索した結果、コレステロールの細胞内局在を制御する複数のBTBPの同定に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、コレステロールの細胞内局在を制御するBTBPを同定する事ができた。各BTBPに対する基質タンパク質の同定については、アルファスクリーンの系の構築を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に同定したコレステロールの細胞内局在を制御するBTBP依存的にユビキチン化を受ける基質タンパク質の同定を至急進める。具体的にはアルファスクリーンを用いた結合タンパク質スクリーニングを実施するために、そのポジティブコントロールとなる各BTBPの結合タンパク質を過去の報告をもとに選定する。また、当該BTBP発現抑制時における血管内皮細胞の性状解析 (血管新生、増殖、移動、透過性)も実施する。基質タンパク質同定においては、TR-TUBE法だけでなく、SILAC法も用いた実施したい。
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Causes of Carryover |
BTBPに対する基質蛋白質のスクリーニングシステムの導入が遅れた。本年度は、このシステムを稼働させ、研究を進める予定である。
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