2020 Fiscal Year Research-status Report
CUL3依存的なコレステロール輸送に着目した抗腫瘍血管新生医薬品の開発
Project/Area Number |
17K09390
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鹿野 美千子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (70405190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 大志 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (10771917)
城 卓志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 名誉教授 (30231369)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸がん / CUL3 / コレステロール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでにコレステロールの細胞内局在を制御していることが推測されるCUL3アダプター分子を複数同定している。本年度は、コレステロールプローブであるmCherry-D4HをレンチウィルスによりHUVECに遺伝子導入する事でコレステロールの可視化を達成し、HUVECの細胞内コレステロールの局在を規定する遺伝子の探索を行なった結果、その発現抑制により、D4Hの細胞膜局在が消失する複数のBTBP遺伝子を同定する事に成功した。さらに当該BTBPの発現抑制によって、血管新生が顕著に阻害されるBTBP遺伝子Xを同定した。分子Xの発現抑制によって、細胞内コレステロールの全体量は変わらなかった。以上の結果より、分子Xの発現抑制時の表現型は、CUL3を発現抑制した時と完全にフェノコピーした。従って、CUL3/分子X軸が血管内皮細胞においてコレステロールの細胞膜局在を規定し、血管新生を正に制御している事が示唆された。次に、分子Xに結合し、CUL3/分子X依存的にUb化を受ける基質タンパク質の同定を試みた。質量分析を用いた方法では、HUVECの細胞抽出液から明らかな分子Xの結合タンパク質を同定する事はできなかった。一方で、ヒトプロテインアレイから分子Xの結合タンパク質を探索した結果、複数の直接的結合タンパク質を同定した。この時、分子Xの基質タンパク質結合ドメインに変異を入れた分子X変異体を比較対象として用意し、分子X変異体には結合しないが、野生型分子Xには結合するタンパク質をCUL3/分子X依存的にUb化を受ける基質タンパク質の候補として選定した。過去の報告などを考慮して、細胞内輸送に関連があると予想される3分子に関して、Ub assayを行い、CUL3/分子X依存的なUb化を検討した。その結果、3分子とも、CUL3/分子X依存的にUb化を受ける事と明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染にともなう影響により実験の遂行が困難となり、研究の進展が遅れた。また、同定した候補薬剤の毒性や、標的をしている分子メカニズム以外の細胞制御機構への影響が明らかとなり、その解析に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、CUL3/分子X依存的にUb化を受ける基質タンパク質のうち、細胞内輸送に関連があると予想される3分子を同意している。本年は、CUL3-BTBPと基質タンパク質の結合を阻害する薬剤のスクリーニングをすすめるが、これまで3分子、CUL3/BTBP (分子X)の候補からどのタンパク質を阻害剤探索のプローブとして用いるべきか決定するに至らなかったので、CUL3/BTBP (分子X)との結合を阻害する化合物の探索を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の影響により実験の進展が遅れ、次年度使用額が生じた。
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