2018 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞脂肪毒性における内臓・皮下脂肪組織由来アディポソームの役割とその制御機構
Project/Area Number |
17K09402
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
西島 亜紀 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40566105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 教授 (80188755)
大森 泰文 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90323138)
山本 洋平 秋田大学, 医学部附属病院, 助教 (70400512)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪毒性 / アディポソーム / エクソソーム / 内臓脂肪組織 / 皮下脂肪組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、内臓脂肪組織が肝細胞に特異的にアポトーシスと脂肪滴蓄積、すなわち脂肪毒性を誘導することを見出した。この現象を仲介するのは、脂肪細胞が分泌するエクソソーム(アディポソーム)ではないかと考え研究を行っている。前年度には内臓脂肪組織(VAT)が皮下脂肪組織(SAT)の約6倍のアディポソームを賛成していることを見出した。平成30年度には、脂肪酸輸送蛋白であるFATP2の発現を検討した。VAT, SATの培養上清から精製したアディポソーム(それぞれVAT-exo, SAT-exo)を、コラーゲンゲル上に単層培養したHepG2肝細胞の培養上清に添加した。コントロールに比し、VAT-exo, SAT-exo添加群は肝細胞のFATP2の発現が亢進していた。すなわち、アディポソームは脂肪酸取り込みを介して肝細胞の脂肪毒性を誘導していることが示唆された。また、VAT-exo, SAT-exo内のmicroRNA発現比較解析を行った。すでに文献で報告されている、肥満、2型糖尿病の病態制御に関与しているmicroRNAは抽出されなかった。脂肪毒性に関連する新たなmicroRNAが含まれている可能性があるため、引き続き解析を行っている。また、次年度は、アディポソーム自体が肝細胞内に取り込まれるかを確認する予定である。さらに、アディポソームの分泌や取り込みを阻害することで、脂肪毒性を抑制する治療に発展させ得ると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
産前・産後休暇および育児休業を取得したため
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Strategy for Future Research Activity |
microarrayで抽出されたデータをもとに、脂肪毒性を制御している可能性がある候補microRNAについて引き続き探索する。 蛍光色素を用いてエクソソームを標識し、肝細胞内に取り込まれているか否か、VATとSATで取り込みに相違があるかを検討する。
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Causes of Carryover |
産前・産後休暇および育児休業を取得したため、次年度への持ち越しが生じた。主に物品費で使用する予定である。
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Research Products
(1 results)