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2017 Fiscal Year Research-status Report

HBV感染細胞の脂質クオリティ解析から展開する肝疾患治療の研究

Research Project

Project/Area Number 17K09403
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

上野 紀子  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90546631)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
KeywordsHBV / 脂質
Outline of Annual Research Achievements

申請者は B 型肝炎ウイルス (HBV) 複製抑制効果のあるドコサヘキサエン酸 (DHA) が HBV 感染細胞の DHA 含有トリアシルグリセロール (TAG) 分子種を増加することを見出した。本研究では、その法則性、メカニズム解明のための DHA 代謝物や TAG 合成酵素など責任分子の探索、 他の肝疾患における脂肪酸選択的 TAG 分子種の変動の法則性について検討を行っている。この研究を通じ DHA が HBV 感染や肝細胞がんの治療薬になりうる可能性の検討とそのメカニズムの解明を目的としている。
メカニズム解明の一環として HBV 感染細胞において上清に分泌された脂肪酸測定を行った。その結果、未感染細胞培養 5 日後に測定対象である脂肪酸 (全 8 種) の増加が見られたが、 HBV 感染細胞上清ではその増加が見られなかった。HBV 感染によるリポタンパク質の分泌抑制が報告されており、HBV 感染によって脂肪酸分泌が増加しないことは、分泌が抑制されたリポタンパク中に含まれる脂肪酸量を反映している可能性が考えられた。しかし本現象は脂肪酸選択性が見られない、すなわち DHA やオメガ 3 系脂肪酸に特有な現象ではないことから、HBV 感染細胞における DHA 含有 TAG 分子種増加への寄与は低いものと考えられた。
他の細胞における法則性、阻害剤、脂肪酸代謝物についても検討を開始しており、現在解析中である。
また、ノンターゲット法による新奇脂質の探索については、申請者の所属変更に伴い VION IMS QTof (waters) とそのデータ解析ソフトとして UNIFI (waters) と Progenesis QI (nonlinear) へ変更した。ノンターゲット分析に適した測定系の構築について、すでに検討を開始している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

実験計画通りに細胞レベルの法則性の検討、代謝物の探索を進めている。一部遅れているところもある一方で、平成 30 年度開始予定のノンターゲット法については、平成 29 年度からすでに分析手法の検討に着手していることから、全体としてはおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

研究計画では、ノンターゲット法をQ Exactive (Thermo fisher scientific) で行う予定であったが、申請者の所属変更に伴い VION IMS QTof (waters 社) とそのデータ解析に UNIFI (waters) と Progenesis QI (nonlinear) へ変更した。VION は量の多い分子にマスクされてしまう少量の変化も検出できる方法が可能な質量分析計であり、変動する新奇分子の探索に有用と考えられ、現在その分析系の構築中である。前所属機関とも連携が取れており研究推進に問題はない。

Causes of Carryover

平成 29 年度の研究打ち合わせが結果的に申請者所在地で行うことが多かったこと、また学会発表などの成果発表が出来なかったことから、旅費などが抑えられたため。

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Published: 2018-12-17  

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