2017 Fiscal Year Research-status Report
MICA蛋白の翻訳後修飾の分子機構解明による抗腫瘍免疫活性の増強
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17K09405
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 雅哉 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (30722665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 基之 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90518945)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MICA / 切断酵素 / 分泌 |
Outline of Annual Research Achievements |
MICAは病的細胞に発現してNK細胞を活性化するリガンドである。これまで申請者らがゲノムワイドアソシエーションスタディ(GWAS)で同定した肝癌発症感受性遺伝子MICAの発現量と翻訳後修飾の制御によって、抗腫瘍免疫を介した肝癌の予防法と治療法を開発する。MICA遺伝子の一塩基多型に対応する血清MICAタンパクの多寡が、慢性C型肝炎からの肝癌発症に関与することを我々は報告したが、その後、MICAタンパクの発現量を、肝細胞特異的な核酸のデリバリーによって増やすことで、前癌病態にある肝細胞を排除することが効率的になることを見出した。本研究では、タンパク発現量以降のステップとなるMICAタンパクの翻訳後修飾、特に切断分泌機構を解明し、さらに効率的な抗腫瘍免疫の惹起による肝癌癌抑止法を検討する。 本年度は肝癌発症感受性遺伝子MICAが発現細胞から切断・分泌(shedding)される機構を解明するために、MICAのshedding状態を簡便に測定するレポーターの系を確立した。この系を用いて小分子化合物の網羅的スクリーニングをおこない、MICA のsheddingを抑える化合物を同定する。その化合物の持つ特性から、MICAのshedding機構の解明を進めている。 また、リコンビナント蛋白と蛋白分解酵素阻害剤ライブラリーを用いて、MICAのshedding に必要な酵素を同定した。この酵素の阻害剤とFACSでの検討で、ある種の酵素がMICAの切断に関与していることを見いだしたため、今後 その酵素の精製などを進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MICA蛋白の切断状態を効率的にスクリーニングできる系を予定通り確立した。 また、阻害剤ライブラリーを用いたスクリーニングで MICAの切断に関わる因子を同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
さらにMICA切断酵素の同定をすすめ、直接的な作用なのか間接的な作用なのかを明らかにし、shedding 阻害作用による免疫機能の増強が見られるかを検討していく。
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