2018 Fiscal Year Research-status Report
Metシグナルを介したNASHの抗体医薬療法の開発
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17K09411
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高原 照美 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60240777)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梨井 康 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 移植免疫研究室, 室長 (60321890)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | NASH / Met / HGF / 肝再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症基盤として、インスリン抵抗性、脂肪肝が存在している。HGF受容体であるMetはインスリン受容体(INSR)とハイブリッドを形成して、肝臓におけるインスリン感受性を規定することが知られており、本研究では、①Metシグナルを介したNASHの病態の解析、②Met活性化抗体を用いたNASHの治療法を新規に構築することにより、Metシグナルを介したNASH の抗体医薬療法を開発する事を目的とした。 平成30年度は①NASH モデルはSTAM マウスを用いて高カロリー高脂肪食を5週間投与するモデルを作成した。このモデルを用いてMet活性化抗体投与群と対照群に分けて週2回抗体を投与して解析した。さらに同モデルマウスを3週間通常食に戻して抗体を投与して解析した。その結果STAM マウスモデルでNASHが確認された。抗体投与群では対照群に比較して著明に肝重量は増大した。また中性脂肪は抗体投与群で低下をみとめたが血糖値には有意差をみとめなかった。通常食に移行した後も肝重量は抗体投与群で著明な増加を認めたが血糖値は有意な差を認めなかった。上記の結果からSTAM モデルはラ氏島の機能が消失した極端なモデルであり本研究には不適と結論ずけた。そこで、Met活性化抗体の有用性を証明するために肝硬変の肝再生モデルにおける有用性を検討することとした。②四塩化炭素を9週間投与して肝硬変を作製し、2/3肝部分切除を行った。肝切除2日前から14日目まで週2回抗体投与を行った。切除後28日目まで経時的に再生肝を観察した。その結果、対照群では術後14日目まで50%以上が死亡したが、抗体投与群では有意に死亡率が低値であった。組織学的解析から対照群に比較してPCNA陽性肝細胞の増加、F4/80 陽性細胞の低下、線維化の改善が認められ、組織修復、再生に有効であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用したNASHモデルであるSTAM マウスはラ氏島の機能が消失した極端なNASHモデルであり本研究には不適と結論ずけたため、以後の動物実験を変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
NASHにおける本抗体の有効性とその分子機構を解明するため、①db/dbマウスから肝細胞を採取してin vitro でHGFのインスリンシグナルを解析し、さらにMet 活性化抗体を作用させインスリンシグナルに対する作用を解析する。また平成30年度の結果からMet 活性化抗体の組織再生、修復、抗線維化作用が非常に強いことが確認されたことから、②培養肝細胞、星細胞、免疫細胞に対する分子機構をさらに解析する。さらにヒトの肝細胞移植モデル、膵ラ氏島移植モデルへの応用を念頭に抗体の最適化を繰り返し行う。
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Causes of Carryover |
動物実験が一部変更になったため
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Hydrogen-rich solution attenuates cold ischemia-reperfusion injury in rat liver transplantation.2019
Author(s)
Uto K, Sakamoto S, Que W, Shimata K, Hashimoto S, Sakisaka M, Narita Y, Yoshii D, Zhong L, Komohara Y, Li XK, Inomata Y, Hibi T
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Journal Title
BMC Gastroenterol
Volume: 19
Pages: 25-25
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] 5-aminolaevulinic acid (ALA), enhances heme oxygenase (HO)-1 expression and attenuates tubulointerstitial fibrosis and renal apoptosis in chronic cyclosporine nephropathy.2019
Author(s)
Liu C, Zhu P, Fujino M, Isaka Y, Ito H, Takahashi K, Nakajima M, Tanaka T, Zhuang J, Li XK
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Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 508
Pages: 583-589
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Combination of 5-aminolevulinic acid and iron prevents skin fibrosis in murine sclerodermatous graft-versus-host disease.2018
Author(s)
Liu C, Yang X, Zhu P, Fujino M, Ito H, Takahashi K, Nakajima M, Tanaka T, Wang J, Zhuang J, Zou H, Li XK.
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Journal Title
Exp Dermatol.
Volume: 10
Pages: 1104-1111
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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