2018 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫性肝疾患における疾患特異的T細胞受容体の高解像度解析と病態解明
Project/Area Number |
17K09416
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
梅村 武司 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (30419345)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HLA-DPB1 / オートタキシン / AIH / PBC |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はPBCについてウルソデオキシコール酸治療開始前の肝生検施行時に採取された保存血清を用いて新しい肝線維化マーカーであるオートタキシンを測定し、PBCの肝線維化との相関、さらにはウルソデオキシコール酸投与1年後の変化を検討した。血中のオートタキシンは男性・女性で検討するとNakanuma分類の肝病理学的所見と有意な相関を示していることを証明した。さらに、治療開始後1年の時点では血中ALP、γGTPは有意に改善していた。肝線維化マーカーであるM2BPGiは治療前後で有意に低下していたがオートタキシンは有意な低下を認めなかった。以上よりオートタキシンはPBCにおいても肝線維化マーカーとして有効であることを明らかにした。(Joshita S, Umemura T, et al. Scientific Reports 2018)
HLA-DPB1の発現に関連しているrs9277534は今までにB型肝炎の治癒、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病の発症に関連することが報告されている。本研究ではHLA-DPB1のアリルを決定したAIH 146名と健常人 326名についてアリルとrs9277534の関連性、日本人におけるHLA-DPB1の発現量について検討を行った。日本人でもrs9277534はHLA-DPB1の発現に関連していた。さらに、rs9277534ジェノタイプはHLA-DPB1アリルと強い連鎖不平衡を示した。HLA-DPB1アリルはAIHの疾患感受性と関連性は認めなかったがrs9277354Gアリルは有意にAIHと関連していることを証明し、ロジスティック回帰分析からHLA-DRB1*04:05アリルと独立した疾患感受性を持つことが明らかとなった。(Yamazaki T, Umemura T, et al. Scientific Reports 2018)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AIH 180名とPBC 350名、健常人325名についてはHLAのclass Iとclass IIのタイピングは終了している。AIHとPBCについて80名ずつランダムに抽出し、次世代シークエンサーで全HLA遺伝子のPCRを施行し、解析は終了して6桁から8桁のHLAのタイピングは終了している。健常人80名については現在測定中である。現在得られた塩基配列について従来から報告のある配列との相違を検討中である。新しいアリルの発見もあり投稿準備中である。 TCRのレパトア測定法については基礎実験を行っており順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
HLA領域のリシークエンシング解析は現在投稿準備中であるので早急に投稿を行う予定である。発見された変異について残りの検体で発見された多型・変異が病態と関連性があるか統計学的な検討を行い、確認をする予定である。 TCRのレパトア測定方法の再現性について確認を行い、AIH、PBC患者の検体を用いて解析を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度施行したオートタキシンの測定、rs9277534の測定には想定より費用がかからなかったため、次年度のTCRのレパトア解析について次年度使用額をあてることが出来るため測定系の確立,さらに健常者全ての解析が行えるようになった。より詳細かつ正確なデータ解析が行えると考えられる。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Serum Autotaxin Is a Useful Disease Progression Marker in Patients with Primary Biliary Cholangitis2018
Author(s)
Joshita, S. Umemura, T. Usami, Y. Yamashita, Y. Norman, G. L. Sugiura, A. Yamazaki, T. Fujimori, N. Kimura, T. Matsumoto, A. Igarashi, K. Yoshizawa, K. Ota, M. Tanaka, E.
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 8
Pages: 8159
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Clinical features of autoimmune hepatitis with acute presentation: a Japanese nationwide survey2018
Author(s)
Joshita, S. Yoshizawa, K. Umemura, T. Ohira, H. Takahashi, A. Harada, K. Hiep, N. C. Tsuneyama, K. Kage, M. Nakano, M. Kang, J. H. Koike, K. Zeniya, M. Yasunaka, T. Takaki, A. Torimura, T. Abe, M. Yokosuka, O. Tanaka, A. Takikawa, H. Japan Autoimmune Hepatitis Study, Group
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Journal Title
J Gastroenterol
Volume: 53
Pages: 1079-1088
DOI
Peer Reviewed
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