2018 Fiscal Year Research-status Report
ソラフェニブ治療抵抗性肝細胞癌におけるHIF1-αの役割
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17K09433
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
阿久津 典之 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50531191)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 薬剤耐性 / 肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は分子標的薬の薬剤耐性機序を明らかにすることを目的として実施している。ヒト肝細胞癌におけるHIF1-α、PD-L1発現, ならびに腫瘍周囲浸潤リンパ球の検討として、まず肝細胞癌臨床検体を用いて免疫染色法により、HIF1-αの発現を検討した。さらに癌分化度やステージによる違いについて検討した。続いて、同様な肝細胞癌の臨床検体を用いて、RNAを抽出した後に、PDL1の発現をRT-PCRで解析。さらにWestern BlotにてPDL1の発現を解析した。さらに抗CD 4、抗CD8、抗Foxp3抗体、抗PD-1抗体を用いて腫瘍周囲浸潤リンパ球のphenotypeを検討した。In vitro実験としてはHIF1-αによるPD-L1発現誘導機序解明を目的に研究を行い、まず複数の肝癌細胞株(HepG2, Hep3B, HLF, HuH7, PLC/PRF/5)を用いて、HIF1αの発現をwestern blot法にて検討した。HIF1αの発現している肝癌細胞株でのサイトカインレセプター発現を観察し、さらに複数のサイトカインで刺激し、PDL1の発現の変化があるか検討した。現在、サイトカインを数種類に絞り込み、そのシグナル伝達機序について解析を行うこととし、JAK/STAT、PIK3/AKT、NFκB、ERK1/2、p38、JNKなどの解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手技の確立のため、時間を要した実験があり、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
HIF1αの発現している肝癌細胞株でPDL1の発現の変化を検討。サイトカインを数種類に絞り込み、そのシグナル伝達機序について解析を行うこととし、JAK/STAT、PIK3/AKT、NFκB、ERK1/2、p38、JNKなどの解析を行う。 HIF1-α発現プラスミドが導入された肝癌細胞株、非導入細胞株、HIF1-αshRNA導入された肝癌細胞株、各 々1×106cellsをヌードマウスに移植する。その後、GFPマウスの脾臓からCD4, CD8陽性T細胞をMACSにて単離し 、各細胞を尾静脈から投与する。リンパ球移入後、3、7、14日後にマウスを屠殺し、移植された腫瘍の大きさ、 腫瘍におけるPD-L1の発現、ならびに腫瘍周囲のリンパ球浸潤のphenotypeについて、免疫染色法ならびにフロー サイトメトリーを用いて検討する。 ソラフェニブ50mg/kgをC57BL/6マウスにゾンデを用いて14日間経口投与 する。投与1、3、7、14日後に、骨髄および脾臓の免疫染色を行いPD-L1の発現を評価。さらに各々からリンパ球 を採取し、フローサイトメトリーを用いてPD-L1発現状態を確認する。 ヌードマウスに肝癌細胞株を移植すると同時にGFPマウスの脾臓から採取したCD4, CD8陽性T細胞(1×106cells)を尾静脈から投与する。その後、 ソラフェニブを14日間経口投与し、ソラフェニブ濃度と末梢血のFoxp3陽性T細胞数の変化について検討する。また、その際の腫瘍におけるPD-L1発現について免疫染色法を用いて検討する。
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Causes of Carryover |
予定した研究が残っており、さらにin vivoで研究を発展させる予定であり使用させて頂きたい。
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