2017 Fiscal Year Research-status Report
NASH由来肝細胞癌における腸内細菌の役割を検討する
Project/Area Number |
17K09434
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
今城 健人 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30600192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 聡 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00275041)
留野 渉 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00644957)
本多 靖 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (00784844)
米田 正人 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (10423831)
小川 祐二 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20644959)
中島 淳 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30326037)
結束 貴臣 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30738620)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | NASH由来肝細胞癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)由来肝細胞癌(HCC)の病態進展機序における腸内細菌及び腸管由来エンドトキシン(ET)の役割を検討する。 1)NASH由来HCC患者における便メタゲノム解析:NASH由来HCC患者の便検体を用いて、NGS(Illumina MiSeq)を用いたメタゲノム解析を行い、HCC患者の便中には非HCC患者及び非NASH由来のHCC患者に比しFaecalibacteriumの占拠率が低下していた。 2)ラクツロース・マンニトール試験による腸管透過性の評価;NASH由来HCC患者に対してラクツロース・マン二トール試験を10例で行った。非HCC患者及び非NASH由来のHCC患者に比し、腸管透過性亢進が示唆された。また、血中ET活性は腸管透過性と相関していた。
本年度では、ヒトNASH由来HCC患者における糞便のメタゲノム解析を行い、NASH由来HCC患者では特定の腸内細菌の異常、特にFaecalibacteriumが減少することを示した。Faecalibacteriumは腸管壁のバリアに関与しており、Faecalibacteriumが低下することで腸管透過性が亢進し、血中ET活性が亢進することで炎症などを開始、HCCを増悪させる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画でも平成29年度に、NASH由来HCC患者における便メタゲノム解析及びラクツロース・マンニトール試験による腸管透過性の検討を予定としていた。ほぼ計画通りに進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
NASH由来HCCモデルマウスとして, high fat diet(HFD)及びdiethylnitrosamine(DEN)をB6マウスへ投与したモデル及び遺伝子改変マウス[レプチン欠乏fatty liver shionogi(FLS)マウス]を用いる.これら二つのマウスモデルは肥満及びHCCを呈し、ヒトNASHに類似することが報告されている。平成30年度はこのヒトNASHに近いマウスモデルに対して便メタゲノム解析を行い、非発がんマウス(HFD単独マウス及び普通食マウス)と比較することで便中細菌叢の分布の違いを検討する。また、平成31年度にはヒトNASH類似HCCモデルマウスにおける腸管透過性の検討も行う予定である。
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