2017 Fiscal Year Research-status Report
肝線維化の新規診断・治療法の確立を目指したlet-7の発現・機能解析
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17K09435
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
松浦 健太郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (30580576)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | let-7 / 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が米国のC型慢性肝炎コホートの保存検体を用いて行った、本研究を立案するきっかけとなった先行研究の結果について、本邦の複数のC型慢性肝炎コホートから肝生検時の保存血清検体および臨床情報を収集し、末梢血let-7 レベルと肝線維化進展度との相関の再現性を検証した。その結果、血清および血清由来の細胞外小胞中のlet-7aの発現は肝線維化の進展に伴い減少することを再現した。さらに、血清中のlet-7発現レベルは他の線維化マーカーと良好な相関をみとめた。しかしながら、施設間の血清の保存状態の差により、発現レベルおよび線維化との相関度に差がみとめられた。この結果は今後、保存血清を用いた末梢血中のmicroRNA解析および臨床応用に際して注意を要するという知見を得た。これらの臨床検体を用いた検討の結果については、2017年の国内外の学会で発表し、現在論文作成中である。 一方、肝線維化に深く関わる肝星細胞内におけるlet-7の働きについて、ヒト肝星細胞株(LX-2)を用いて検討した。LX-2をいくつかのサイトカインで刺激したのちの細胞内のlet-7の発現レベルを検討したところ、有意な変化を確認した。また、let-7をLX-2に導入後の肝線維化関連の遺伝子発現を解析し、線維化関連分子の有意な変化を確認した。これらの結果について、2017年の国内外の学会で発表した。 このように、血清中のlet-7発現レベルは肝線維化の指標マーカーとなるだけでなく、細胞内let-7は線維化メカニズムにも関与しているという仮説を裏付ける結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体を用いた検討は終了し現在まとめている。 細胞株を用いた検討も順調にすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞株を用いたlet-7の機能解析をさらに進め、並行して肝線維化モデル動物を用いた検討も開始する。
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[Presentation] Circulating let-7 levels in serum and extracellular vesicles correlate with hepatic fibrosis progression in chronic hepatitis C2017
Author(s)
Kentaro Matsuura, Etsuko Iio, Nobuhiro Aizawa, Hirayuki Enomoto, Shuhei Nishiguchi, Hidenori Toyoda, Takashi Kumada, Kayoko Matsunami, Kei Fujiwara, Shunsuke Nojiri, Valeria De Giorgi, Richard Y. Wang, Kazi Salam, Aparna Vuppala, Robert D. Allison, Patrizia Farci, Harvey J. Alter, and Yasuhito Tanaka
Organizer
米国肝臓学会
Int'l Joint Research