2019 Fiscal Year Research-status Report
肝線維化の新規診断・治療法の確立を目指したlet-7の発現・機能解析
Project/Area Number |
17K09435
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
松浦 健太郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (30580576)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | miRNA / let-7 / 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が本研究を立案するきっかけとなった先行研究の結果(Matsuura et al. Hepatology 2016)について、本邦の複数のC型慢性肝炎コホートから肝生検時の保存血清検体および臨床情報を収集し、末梢血let-7 レベルと肝線維化進展度との相関の再現性を検証した。その結果、血清および血清由来の細胞外小胞中のlet-7aの発現は肝線維化の進展に伴い減少することを再現した。さらに、血清中のlet-7発現レベルは他の線維化マーカーと良好な相関をみとめた(Matsuura et al. Open Forum Infct Dis. 2018)。また、治療によりC型肝炎ウイルスの排除された肝硬変患者の保存血清を用いて、その後の肝線維化・予備能の改善・悪化に関連するケモカイン/サイトカインの解析を進めており、この検体を用いて血清中のlet-7を含むmiRNAの発現解析を行っている。 一方、細胞内におけるlet-7の働きについて、ヒト肝星細胞株(LX-2)、線維芽細胞株を用いて検討した。LX-2をいくつかのサイトカインを加え活性化するとlet-7の発現レベルは有意に低下した。また、let-7をLX-2に導入後の肝線維化関連の遺伝子発現を解析したところ、肝線維化を抑制する傾向をみとめた。肝線維化を呈する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデル動物の肝臓におけるlet-7および肝線維化関連分子の発現解析を施行した。現在、let-7 mimicをアテロコラーゲン、脂質ナノ粒子などを担体として投与し、肝線維化抑制効果について検討する実験をすすめている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
患者検体を用いた検討は、論文発表が終了し順調である。 動物モデルを用いた検討については、現在実施中であり、遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
患者検体を用いて、C型肝炎ウイルス排除後の肝線維化・予備能改善・悪化におけるlet-7を含むmiRNAの関連について引き続き検討する。動物モデルを用いたlet-7の肝線維化抑制効果について検討をすすめ、細胞株を用いて得られた結果との整合性を検証する。すなわちlet-7 mimicを投与したこれらモデルの肝組織の遺伝子発現をRNAseq、マイクロアレイなどを用いて網羅的に検討し、肝線維化から発癌に至る分子機構の解明、新規の肝線維化治療薬としての確立を目指す。
|
Causes of Carryover |
動物モデルを用いた実験の至適条件の検討のため、研究の遂行が遅れているため。
|
-
[Journal Article] TLL1 variant associated with development of hepatocellular carcinoma after eradication of hepatitis C virus by interferon-free therapy2019
Author(s)
Iio E, Matsuura K (co-first author), Shimada N, Atsukawa M, Itokawa N, Abe H, Kato K, Takaguchi K, Senoh T, Eguchi Y, Nomura H, Yoshizawa K, Kang JH, Matsui T, Hirashima N, Kusakabe A, Miyaki T, Fujiwara K, Matsunami K, Tsutsumi S, Iwakiri K, Tanaka Y.
-
Journal Title
Journal of Gastroenterology
Volume: 54
Pages: 339-346
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-