2017 Fiscal Year Research-status Report
DAA治療によるHCV排除後の肝細胞における、可逆的および不可逆的肝障害の解析
Project/Area Number |
17K09447
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
脇田 隆字 国立感染症研究所, 副所長, 副所長 (40280789)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HCV |
Outline of Annual Research Achievements |
C型肝炎ウイルス(HCV)の治療は近年DAAが開発された。DAAにより治療効果は飛躍的に高まったが、ウイルス排除の目的はHCV持続感染による慢性肝疾患と全身状態の改善と、肝発がん予防である。しかし、HCVの長期間にわたる持続感染による肝炎による細胞障害、組織障害の分子機構と治療によるその可逆性についてはよくわかっていない。本研究ではHCV感染モデルを用いて、HCV持続感染による肝障害の微細構造変化および遺伝子発現変化について解析し、DAA治療によるウイルス排除後の肝障害改善に資する基盤的研究を実施する。このために、新規HCV感染モデルの構築を行っている。ウイルス培養系において、HCV未感染細胞、HCV感染細胞、HCV排除細胞を区別できる実験系を構築するためにCre-loxPによるスイッチング発現系を利用する。感染レポーターカセットとしてloxp配列にはさまれた、RFP遺伝子の下流にGFP遺伝子を配置した。このレポーターカセット遺伝子をHuh751細胞にトランスフェクションして薬剤選択培養とソーティングにより、FACS解析で約50%の細胞がRFP陽性となるHuh751-RG細胞株を樹立した。Huh751-RG細胞のHCV感受性は親株と同等であった。さらにCreを発現する組み換えHCV(HCV-Cre)を構築した。HCV-CreをHuh751-RG細胞に感染することにより遺伝子組み換えがおこり、GFP発現細胞を確認できた。レポーター発現の異なる細胞のソーティングすることにより、感染細胞と非感染細胞の分離を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度研究計画のHCVレポーター細胞、Cre発現ウイルスを開発でき実際に遺伝子組み換えがおこり、レポーター遺伝子発現の変化が観察できた。30年度以降はこの実験系を用いて、HCV感染前後の細胞内変化を観察できる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、HCV感染による肝細胞の微細構造変化を解析する。これまで、HCVキャリア患者の肝組織像を解析すると微細構造変化を観察したので、培養細胞で同様の現象を解析する.また、感染細胞をDAAで治療することによりウイルスを排除する。このウイルス排除細胞での細胞内微細構造変化の持続あるいは消失について検討する.これは臨床におけるSVR後の肝障害の持続やHCCの発症の基礎検討につながる。また、微細構造変化だけでなく、遺伝子発現プロファイルについても解析を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた感染細胞の解析ができなかったため、29年度の使用額が予定よりも少なくなった。細胞の解析は30年度に実施する予定である。
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] C型慢性肝炎のウイルス学的著効(SVR)後の肝実質細胞のオルガネラ異常の解析2017
Author(s)
青柳東代, 飯島尋子, Francesc Puig-Basagoiti, Zheng Xin, Yu Ting Kao, Gewaid E. Hossam, 在津拓馬, 松田麻未, 渡士幸一, 鈴木亮介, 政木隆博, 島田紀明, 加藤慶三, 坪田昭人, 三又絢子, 酒巻有里子, 市野瀬志津子, 和氣健二郎, 脇田隆字, 相崎英樹
Organizer
第27回抗ウイルス療法学会学術集会
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[Presentation] Abnormal organelles were continuously observed in sustained virological response (SVR) patients2017
Author(s)
Aoyagi H, Iijima H, Puig-Basagoiti F, Zheng X, Kao YT, Gewaid HE, Zaitsu T, Matsuda M, Watashi K, Suzuki R, Masaki T, Shimada N, Kato K, Tsubota A, Mimata A, Sakamaki Y, Ichinose S, Wake K, Wakita T, Aizaki H
Organizer
he Asian Pacific Associaton for the Study of the Liver - Single Topic Conference 2017
Int'l Joint Research
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[Presentation] Hepatic aryl hydrocarbon receptor-mediated lipid droplets production regulates the assembly efficacy of hepatitis C virus.2017
Author(s)
Hirofumi Ohashi, Syo Nakajima, Sulyi Kim, Ryosuke Suzuki, Hideki Aizaki, Masayoshi Fukasawa, Shinji Kamisuki, Fumio Sugawara, Naoko Ohtani, Takaji Wakita, Koichi Watashi
Organizer
24th International Symposium on Hepatitis C Virus and Related Viruses
Int'l Joint Research
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