2017 Fiscal Year Research-status Report
S1PR2が原発性胆汁性胆管炎の疾患特異性と病態に及ぼす影響の解明と治療への応用
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17K09458
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
川田 一仁 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90722968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良正 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50252185)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性肝疾患 / S1PR2 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は中年女性に好発する肝内小型胆管の炎症や破壊と抗ミトコンドリア抗体の発現が特徴的な自己免疫性肝疾患であるが、女性に好発する原因や肝内胆管細胞に限局する炎症の成因など未だに不明な点が多い。sphingosine-1- phosphate receptor 2 (S1PR2)にはpro-inflammatory roleがあり炎症の誘導に関与することや、女性に好発するmultiple sclerosisにおいて女性の小脳にS1PR2が著しく発現していることが疾患特異性の要因の一つとして報告されている。本研究はPBCのリンパ球や肝内胆管細胞のS1PR2の発現や機能を検討し疾患特異性から病態解明まで行い、さらに新規治療を創出することが目標である。 まず、S1PR2の発現部位や発現量が慢性肝疾患の病態に及ぼす影響を検討するために、C 型慢性肝炎、B 型慢性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患、自己免疫性肝炎、 PBCのホルマリン固定された未染の肝生検組織を使用してS1PR2の免疫組織染色を行った。すべての慢性肝疾患において、胆管細胞の細胞質にS1PR2発現の発現を認めた。肝細胞にはS1PR2の発現は認めなかった。今後、検体数を増やしながら、各疾患毎のS1PR2の発現の違いについて引き続き検討していく予定である。また、ウルソデオキシコール酸の投与前後のPBCの肝生検組織で S1PR2の免疫染色を行い、胆管細胞のS1PR2 発現について比較している最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroの実験予定が現在準備中であり、当初の予定よりも遅れている。しかしながら、近いうちに開始予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行している免疫組織染色を継続、評価していく。また、当初から予定していたJurkat cellを用いてin vitroの実験も開始する。 当初の平成30年予定の動物実験についても予定どおり進めていく。
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