2018 Fiscal Year Research-status Report
S1PR2が原発性胆汁性胆管炎の疾患特異性と病態に及ぼす影響の解明と治療への応用
Project/Area Number |
17K09458
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
川田 一仁 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90722968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 良正 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50252185) [Withdrawn]
則武 秀尚 浜松医科大学, 医学部, 助教 (10467235)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PBC / S1PR2 / JTE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はPBCのリンパ球や肝内胆管細胞のS1PR2の発現や機能を検討することで疾患特異性から病態解明まで行い、さらに新規治療を創出することが目標である。 今年度はS1PR2が胆管細胞からのケモカイン産生に及ぼす影響について検討した。 まず、Human intrahepatic cholangiocarcinoma cell lineであるHuCC-T1 cellsを用いて、LPS刺激によるCX3CL1とCCL2の発現にS1PR2 antagonist JTEが及ぼす作用について検討した。LPS刺激によりHuCC-T1 cells中のCX3CL1 mRNA、CCL2 mRNAレベルは上昇したが、LPSと共にJTEを投与することで上昇したCX3CL1 mRNA、CCL2 mRNAレベルは低下していた。次にChemotaxis assayを行い、胆管細胞が産生するケモカインによるT cellsの遊走能に対するS1PR2の影響について検討した。コントロールに比較してLPSで優位にJurkat cellsの遊走能が上昇したが、LPS+JTEにて上昇していた遊走能は優位に低下していた。以上より、JTEが肝内胆管細胞のLPS誘導CX3CL1とCCL2産生を抑制し、T 細胞の遊走を低下させることが解明された。 次にJTEが肝内胆管細胞のケモカイン産生を低下させるメカニズムについて検討した。JTEによるHuCC-T1 cells中のCX3CL1 mRNAとCCL2 mRNAのinstabilityの変化について検討したが、mockとJTEの2群間で有意な違いはなかった。次にNFkBの変化について検討したが、JTEによるNFkBに及ぼす影響は認めなかった。 現在、引き続きS1PR2が肝内胆管細胞のケモカイン産生に及ぼすメカニズムについて検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス実験を準備が整い次第開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後2OA-BSAを用いたPBCモデルマウスを用いてS1PR2の肝内浸潤T細胞の遊走能について確認予定である。また、引き続きS1PR2が肝内胆管細胞のケモカイン産生に及ぼすメカニズムについて検討していく。
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Causes of Carryover |
2OA-BSAを用いたPBCモデルマウスを用いた実験開始がやや遅れたためであり、準備が整い次第開始し、マウス実験でPBCにおけるS1PR2が肝内浸潤T細胞の遊走能に及ぼす影響について確認予定である。
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