2017 Fiscal Year Research-status Report
ヒト生細胞リソースによる膵癌悪性化機構の多様性解明
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17K09472
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
水上 裕輔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (30400089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 裕介 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, 臨床生体情報解析部, 部門長 (40742648)
唐崎 秀則 医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院医学研究所, 外科的消化器病疾患研究部, 副部門長 (50374806)
笹島 順平 旭川医科大学, 大学病院, 特任助教 (80451467)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IPMN / 膵癌 / GNAS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm; IPMN)関連癌を含む膵癌切除材料より初代培養細胞を得て、KRAS変異に続く第二のドライバー遺伝子であるGNAS変異に伴う膵発癌分子機構の解明を目的とする。変異型GNASはKRASに誘導された膵癌前駆病変(Pancreatic Intraepithelial Neoplasia; PanIN)の代謝経路をシフトさせ、salt-inducible kinasesがそのmediatorとなることを遺伝子改変マウスによって見出した(Nature Cell Biology 2018, in press)。さらに、このような動物モデルで得られた知見がヒト膵癌においても成立するか検証するために、変異型KRASおよびGNASを持つヒトIPMN関連癌の初代細胞の取得した。このヒト細胞リソースを用いて、変異型GNASのゲノム編集を行い、現在、XenograftならびにRNA-seqによる発現解析を進めている。また並行して、IPMN関連膵癌の切除材料を用いて、IPMNと浸潤癌の位置関係、背景膵の微小膵管病変の分布、それらの遺伝学的異常の関連付けにより、IPMNを背景として発生する膵癌進展ルートの層別化を試みた。この結果、クローン多様性を念頭においた新規リスク予測アルゴリズム構築の上で基盤的知見となり得る、新たな分子サブタイプを見出すことに成功した(Gastroenterology, in revision)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト膵癌初代細胞を10ラインを新たに取得する予定であったが、目標を到達できなかった。平成29年度は取得済みの初代細胞ゲノム編集実験を中心に進め、全体としては順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト膵癌初代細胞を10ラインを新たに取得する。申請時の計画に従い、ヒト膵癌細胞ライブラリーを用いて薬剤応答に関する分析を開始する。
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Causes of Carryover |
(理由)予算は概ね予定通り執行したが、端数となった424円の執行が困難であったため、その分を繰越とした。 (使用計画)振り込み手数料等に利用する。
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Research Products
(12 results)