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2017 Fiscal Year Research-status Report

持続性心房細動に対する新たな治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 17K09486
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

村越 伸行  筑波大学, 医学医療系, 講師 (80447218)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 許 東洙  筑波大学, 医学医療系, 助教 (20616651)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords不整脈 / 心房細動 / カテーテルアブレーション
Outline of Annual Research Achievements

心房細動(発作性・持続性)に対する治療法として、肺静脈電気的隔離術をベースとしたカテーテルアブレーションは確立した治療法であるが、持続性心房細動における高い再発率が大きな問題として残っている。本研究は、持続性心房細動において難治性の指標であり、局所アブレーションのターゲットである心房内異常電位(連続性分裂電位)に着目し、これまでの持続性心房細動における電気生理学的・分子学的知見と実験系を基に、肺静脈-左心房間異常電位あるいは左心房内異常電位を抑制する標的分子・薬剤を明らかにすること、およびドラッグ・デリバリー・システムによってピンポイントで薬剤を投与するシステムを構築することを目的とし、その結果、持続性心房細動に対し効率的で再発率の低い新たな治療法を開発することが目的である。初代心房筋培養細胞と線維芽細胞、あるいは心房筋細胞株HL-1細胞と線維芽細胞を平面電極上に混合培養し、高頻度ペーシングを行った。また多電極アレイを用いて活動電位持続時間、局所電位、興奮伝播様式を記録した。高頻度ペーシングを行った混合培養細胞では活動電位持続時間の短縮が認められ、一部に連続性分裂電位様波形が認められた。同部位は細胞内カルシウム過負荷を示し、Na+/Ca2+ exchanger (NCX) mRNAの発現増加が認められた。また、免疫染色では心筋細胞間にconnexin 40 (Cx40)の発現が認められたが、高頻度ペーシング群ではCx40の発現低下および発現の断裂様所見、および偏在化が認められた。数種類の薬剤でスクリーニングを行ったところ、短縮した活動電位持続時間の回復を示す薬剤が認められた。今年度は化合物ライブラリーのスクリーニングを行い、異常電位を生じさせる候補因子の同定および消失に有効な化合物の同定を進め、心房細動モデルに対する治療効果も検討する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究の目的である肺静脈左心房間伝導抑制あるいは左心房内伝導抑制作用を有する化合物のスクリーニングを開始したところであるが、再現性の確立が難しく、また電気生理学的指標を十分に満たす化合物がヒットしていない。今年度これらの実験をさらに確立して遂行し、化合物の同定につなげたい。

Strategy for Future Research Activity

研究代表者が主となり、大学院生・研究生等とともに下記の1~3の研究を進める。
1. 異常電位伝導抑制作用を呈する化合物のスクリーニング:電極記録システム、膜電位・カルシウム高速イメージングシステムを用いて、心房筋混合培養における電位の消失・細胞伝導性抑制を指標に化合物ライブラリー(抗不整脈薬、受容体拮抗薬、標的分子化合薬、免疫抑制薬など)、あるいは標的分子に対するアンチセンス核酸などのスクリーニングを行い、異常電位の消失・伝導ブロック作用を示す化合物をピックアップする。
2. 心房細動易誘発性マウスモデルに対する電位伝導抑制薬の効果:心房細動の誘発性・持続性を評価し、同時に心房細動中の心内電位を記録する。また全身麻酔下でテレメトリー心電計を植込み、自然発生性の心房細動を観察し、持続性を評価する。心房細動モデルマウスのランゲンドルフ潅流心あるいは心房組織切片を、培養細胞を用いた検討と同様、多点平面電極システム、高速イメージングを併用し、活動電位持続時間、局所電位、興奮伝播様式を記録し、心房内異常電位(連続性分裂電位)を同定する。心房細動モデルマウスに異常電位抑制薬・伝導抑制薬あるいは対照として溶媒のみを投与し、テレメトリー心電図で心房細動自然発生率・持続時間を測定する。多電極アレイシステム、高速イメージングにより心房内異常電位の消失を確認する。またカテーテルによる心房細動の誘発性・持続時間を測定し、薬効を評価するとともに、肝・腎など各臓器に対する安全性を生化学的・病理学的に評価する。
3. 心腔内ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の開発: 異常電位抑制薬・伝導抑制薬あるいは対照をポリアミンゲルマトリックスに内包し、その表面をポリエチレングリコールで覆い、環境応答性ナノ粒子として封入する。このナノ粒子をバルーン表面にコーティングし、バルーン型DDSを作成する。

Causes of Carryover

予定していた一部の実験ができなかったため次年度使用額が生じた。2018年度に予定の実験を行う予定である。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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