2017 Fiscal Year Research-status Report
全身性アミロイドーシスの治療後の長期にわたる心機能変化と予後に与える影響の評価
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17K09492
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小山 潤 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (10303463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 宏一郎 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30402887)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アミロイドーシス / 心機能 / 予後 / 治療効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性アミロイドーシス患者の予後予測因子を検討し、心エコー指標や、安静時心拍数が予後予測に有用であることを明らかにした。原発性アミロイドーシスの治療後の心機能変化を明らかにするため、長期的な心エコー指標の変化を検討した。病変が進行する症例がある一方で、心病変が退縮する症例もあることを明らかにした。人心房利尿ホルモンとBNPの組み合わせで、心機能を予測することができることを明らかにした。これらのデータは以下のように2017年American Heart Associationの年次学術集会で発表を行った。 1. Long-term serial echocardiographic observation in patients with systemic light-chain amyloidosis. AHA scientific sessions 2017 2.Human atrial natriuretic peptide levels in combination with plasma brain natriuretic peptide levels predict cardiac function in patients with light-chain amyloidosis. AHA scientific sessions 2017 3. Long-term prognostic significance of diastolic wall strain,, and heart rate in patients with light-chain amyloidosis. AHA scientific sessions 2017
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析対象となるデータはすでに相当数蓄積されており、主に心臓超音波画像の解析を行っている。 経過観察は現在進行中で、年間約160名の心エコーデータを記録している。 原発性アミロイドーシスの心エコーによる予後予測因子に関する研究、BNPに加えてhANPを測定することで、心機能の予測が可能であることの研究、原発性アミロイドーシスの長期フォローアップ研究で、心病変が進行するグループと、不変であるグループ、心病変が退縮するグループのそれぞれの比率を明らかにした研究など、3演題が2017年American Heart Association Scientific Sessionで採択され、米国で発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
家族性アミロイドーシスの長期予後、肝臓移植後の心機能変化などの詳細な研究は知られていない。これらを明らかにするため、主に心エコーを用い経時的に解析を行う。心エコーデータは、研究を推進する上で十分な数を蓄積している。 老人性アミロイドーシスの標的臓器は心臓であるが、心病変がどのくらいの速度で進行するかは知られていない。現在まで蓄積したデータを経時的に解析し、心病変の進行がどの程度の速さで生じるかを主に心エコーデータを解析することで、明らかにしてゆく。 ドミノ肝移植が行われたが、移植後心病変の発症の有無、どのくらいで病変が生じてくるかは、明らかにされていない。現在まで蓄積されたデータを解析することで、ドミノ肝移植の心機能に与える影響を明らかにしてゆく。
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Causes of Carryover |
予定していた学会への出席がいくつかキャンセルとなったため、次年度使用額を生じた。 次年度使用額は、平成30年度請求額と合わせて学会出席旅費、画像記録媒体の購入、統計計算ソフト購入などに充てる予定である。
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