2019 Fiscal Year Research-status Report
Fabry病の新規αガラクトシダーゼ遺伝子変異による酵素の生体内動態に関する研究
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17K09514
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
樋口 公嗣 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (90448580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉満 誠 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (70404530)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Fabry病 |
Outline of Annual Research Achievements |
Fabry病が疑われた症例の血漿中酵素活性は正常であったが、白血球中酵素活性は低下している症例におけるα-gal A遺伝子変異は、一塩基置換されたもので、この置換により異なるアミノ酸となるミスセンス変異であった。この変異をα-gal A-mutと名付け、レンチウイルスベクターを用いてα-gal Aとα-gal A-mutをHeLa細胞で過剰発現させ、in vitroで同様の現象が観察されるか確認した。その結果、培養上清中では、α-gal A酵素活性はα-gal Aおよびα-gal A-mutともに上昇していたが、白血球中つまり細胞内のα-gal A酵素活性はα-gal Aでは上昇していたが、α-gal A-mutでは上昇せず、臨床的に起きている事象を再現することができた。α-gal A-mutでの変異は先述したようにアミノ酸の置換が起こるミスセンス変異であったが、アミノ酸は中性から酸性アミノ酸へ置換されている。このアミノ酸置換が塩基性アミノ酸に置換された場合(α-gal A-mut2)やα-gal A-mutとは違う酸性アミノ酸への置換(α-gal A-mut3)では、血漿中や細胞内でのα-gal A酵素活性はどうなるか不明であり、α-gal A酵素の動態を確認するため、α-gal A-mut2およびα-gal A-mut3変異体のレンチウイルスベクターの作製を行ってきが、作製ができず遅れていたがこの変異体のベクター作製が成功した。ベクター作製に時間を要したため、次のin vitroの実験までは進めていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の通り、ベクター作製に時間を費やし研究が遅れていたため、1年研究の延長申請を行い2020年度に作製したベクターを用いた研究を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したベクターでin vitroの実験を計画通り行い、その結果を踏まえてin vivok実験までつなげていく。
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Causes of Carryover |
ベクター作製に時間を費やし、実験計画期間を1年延長したためベクター作製後の使用予定分が次年度使用額として生じました。使用計画は、実験のための消耗品等の購入に使用いたします。
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