2017 Fiscal Year Research-status Report
心不全患者における新しい体液量評価法を用いた診療体制の確立
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17K09515
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 崇匡 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (60566545)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性心不全 / 体液貯留 / 生体インピーダンス法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年3月の日本循環器学会年次学術集会にて慢性心不全患者における尿定性試験の有用性について発表を行った。尿定性試験異常は慢性心不全患者の独立した予後予測因子であることに加え、尿定性試験異常(尿蛋白陽性、尿潜血陽性)は静脈圧上昇によって規定されていることを発表した。慢性心不全患者における尿定性所見の正常化を通してうっ血解除のメルクマールになりうることが示唆された。また、慢性心不全における遠隔期、6か月後の腎機能の悪化が心予後を規定する重要な因子であることを解明したが、腎機能悪化の予測因子が心拍出量でなはなく、右房圧であることが判明し、うっ血解除の重要性が示唆された(未発表、発表予定あり)。さらに、2017年11月のアメリカ心臓協会年次学術集会にて、胆道系酵素およびコリンエステラーゼ値がうっ血と深く関与していることを発表し、ALP,GGTP、コリンエステラーゼ値がうっ血評価指標になりうることを発表した。 2017年10月より、生体インピーダンスの測定を開始した。2018年5月1日現在、190症例の生体インピーダンス測定を行った。慢性心不全患者における生体インピーダンス測定における実測細胞外液量(M-ECW)と健常人における推定細胞外液量(P-ECW)の比が患者の患者の心不全増悪入院を予測する因子であることが判明した。M/P比が1以上の患者では明らかに心イベントが多かった。しかし、現在までのうっ血指標とは独立した指標であることが判明し、この意義については現段階では不明であり、今後さらなる検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体インピーダンス測定開始以降、患者のエントリーも半年で200人と順調である。また、本年度途中から外来診療における意義および炎症性サイトカイン、酸化ストレスマーカーとの関与について測定開始する予定で準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
、本年度途中から外来診療における意義および炎症性サイトカイン、酸化ストレスマーカーとの関与について測定開始する予定である。さらに、次年度から生体インピーダンス測定ガイド下治療を計画しており、倫理委員会申請をすすめている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は乗じていない
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