2020 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of beta-blockers and renin-angiotensin system inhibitors on the prognosis of patients with heart failure with preserved ejection fraction -A multicenter registry
Project/Area Number |
17K09517
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大手 信之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10185332)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | HFpEF / 前向き観察研究 / 左室駆出率 / β遮断薬 / レニンアンジオテンシン系阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
左室収縮機能の維持された心不全の治療薬探索に関する多施設共同登録・観察研究 (EASY HFpEF registry)は、研究責任者を名古屋市立大学大学院医学研究科循環器内科学大手信之を研究責任者とする多施設共同前向き観察研究であり、心不全入院患者を退院の左室駆出率で層別化し、左室駆出率40%-60%と60%以上の2群に分けて観察したとき、ベーター遮断薬やレニンアンジオテンシン系阻害薬などの心筋保護薬の効果に2群間で差異があるか否かを検証する研究である。本研究への参加施設は北海道大学、札幌医科大学、横浜市立大学医学部付属市民総合医療センター、慶応義塾大学、名古屋大学、三重大学、兵庫医科大学、徳島大学、鳥取大学、愛媛大学、産業医科大学、手稲渓仁会病院、JA静岡厚生連遠州病院、豊川市民病院、名古屋市立東部医療センターであり、2014年10月に症例登録 を開始、2019年5月症例登録を終了した(外部機関名古屋臨床薬理研究所がデータ管理)。総登録症例数は256例であった。現在2019年度登録症例の経過観察中で ある。2020年5月をもって観察を終了し、データクリーンアップを終えたのち直ちに統計解析を行った。解析結果の概要は、primary endopoint(総死亡+心不全悪化による入院)は、登録患者のLVEFの範囲内において、左室駆出率とprimary endopointの発生は、正の一次関数で回帰され、左室駆出率が高値になるほどprimary endopointの発生は有意に増えた。ベーター遮断薬の投与はprimary endopointの発生を抑制する傾向にあったが有意ではなく、一方レニンアンジオテンシン系阻害薬はLVEFの値にかかわらずprimary endopointの発生を有意に抑制した。すなわち、primary endpointの発生に対し、左室駆出率とレニンアンジオテンシン系阻害薬の投与は交互作用を有した。本研究において検証した仮説に関しては否定的な結果であった。
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