2017 Fiscal Year Research-status Report
EPAによる残余リスク介入のための分子機構解明とそれを応用した患者層別化法の開発
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17K09519
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山野 貴司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40624151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 毅 和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (40549771)
田中 篤 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50458072)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プラーク安定化 / 炎症マーカー / エイコサペンタエン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
スタチン投与はプラーク安定化および退縮効果をもたらすため標準療法としてガイドラインで推奨されている。しかし充分なスタチン療法を行っても心血管イベントが発症する、いわゆる残余リスクが大きな問題となっている。残余リスクに関しては、腎機能障害、貧血などさまざまなりリスク因子が挙げられるが、その機序は不明である。 エイコサペンタエン酸(EPA)は、残余リスク介入において最も期待される薬剤である。スタチンにEPAを追加することにより心血管イベントが抑制されることが本邦から報告されているため、EPAは残余リスク介入において最も期待されている薬剤の一つであるが、心血管イベント抑制効果の機序は不明であった。 EPAの多面的な抗動脈硬化作用のうち、マクロファージ(Mφ)及びMMP-9抑制がプラーク安定化のkeyと推察されるが、生体内のMφおよびプラーク局所の炎症性活動性評価方法が無く詳細は不明である。一方、光干渉断層法(OCT)は菲薄化した線維性被膜やMφを生体で評価可能であり、我々はOCTを用いた生体内Mφ定量評価法およびプラーク局所の炎症性マーカーの評価法を開発した。 本研究の目的は、網羅的に炎症マーカーを探索し、スタチンの残余リスクに関しての、EPAによるプラーク安定化効果のkeyであることを明らかにし、前向き臨床試験から炎症の評価などを用いた患者層別化がEPAのプラーク安定化効果を予測できるかを検討することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年3月までの登録はおおむね順調である。また、ヘリコバクターピロリなどの採血検体の測定も随時行っている。現在はデータを収集し、中間解析を行う予定である。今後もそのほかのデータを収集し、学会、文献等で情報を得たのち、解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
分担研究者の西口が筆頭著者となって、スタチンのプラーク安定化に対する論文が発表になり、それに伴いスタチン以外のプラーク安定化に対する残余リスク介入が必要になっている。炎症マーカー、貧血など採血による網羅的なリスク因子を検討し、プラークの安定化すなわち急性冠症候群の発症に対する予防に、総合的なアプローチから、さらに症例数を増やして集積する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 網羅的な炎症マーカー、カテーテルなど研究の遅れから物品購入が今年度は当初の予定より少なくなっている。時間的都合から、旅費等も少なくなっている。 (使用計画) 引き続き症例登録を行い、データの収集を行う。そのために、物品費、人件費を利用する。その後結果の解析、検討を行い、国内外の学会で議論を行う。その後、学術誌での発表を行うことで、研究発表のために旅費、学会参加費、論文構成費が必要である。
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Research Products
(2 results)