2019 Fiscal Year Research-status Report
マルチセンサー多機能血圧計を用いた生活・環境要因を考慮した高血圧管理
Project/Area Number |
17K09522
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
星出 聡 自治医科大学, 医学部, 教授 (90326851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅尾 七臣 自治医科大学, 医学部, 教授 (60285773)
小森 孝洋 自治医科大学, 医学部, 講師 (80406107)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 血圧変動性 / 環境要因 / 臓器障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、当教室で開発をすすめてきたマルチセンサー多機能血圧計を用いて診察室外血圧の集約的管理であり、1)新規の血圧評価法としての生活・環境要因感受性血圧、血圧変動の確立、2)生活・環境要因を考慮した血圧上昇の要因の探索と心血管リスク評価、3)その特徴を活かした最適な高血圧症の個別療法への発展を目指している。本血圧計は、気温、気圧といった環境要因に加え、身体活動度が血圧測定とあわせて同時に測定可能となっている。昨年度までに、未治療または治療中の高血圧症例において、自治医科大学附属病院外来患者の約200名に施行することができ、当初の予定通りの人数の実施に可能であった。個別症例において環境要因の身体活動度と血圧との関係を中心に検討した。覚醒時の30分毎の収縮期血圧をY軸にし、5分前の身体活動度の総和の対数変換をX軸として、その傾きを身体活動感受性血圧上昇と定義した。44名までのデータ解析を行ったところ、動脈硬化が亢進している集団で、身体活動感受性血圧上昇が大きいことがわかった。本年度は対象症例全てを行う予定であったが、目標は到達できていない。一方で、急性心不全で入院した症例1例において、急性期と安定期に本血圧計で評価を行ったところ、心不全急性期において身体活動感受性血圧は低下していた。心不全の治療に伴い、心機能のリバースリモデリングが生じた状況での身体活動感受性血圧は正の関係となり、心機能が低下すると身体活動にともなう血圧上昇が生じにくく、心不全の重症度を示唆する所見と考えられ報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度内までに目標としていた症例登録数は達成しており、その一部において個別の具体的な解析をおこなった。一方で、申請者の勤務状況が今年度より変更となり、研究施設での勤務が週1回になったことから、以前に比べ研究に費やす時間を十分に確保できなく進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討で環境要因の身体活動度と血圧との関係の仮説通りに、動脈硬化が進行している集団で、身体活動度の上昇にともなう血圧上昇の程度が大きい可能性が示唆されている。症例報告において、心機能の程度が身体活動に伴う血圧上昇と関連していることが確認できているため、本要因についても集団で検討していく。研究協力者及びプログラミング・統計解析の専門家とも相談しながら研究がすみやかに遂行するよう進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度より申請者の勤務状況が変更となり、研究施設での勤務が週1日となった。そのため、研究に費やせる時間が依然と比較して少なくなったことから進捗も遅くなり、研究費の使用も次年度へ繰り越すこととなった。 次年度はこれまでに得られたデータのプログラミング・解析を進めていく。プログラミング・解析業務に関わる費用、データ管理のためのハードディスクやUSBメモリー等の消耗品、研究補助員の人件費に、研究費を使用する予定である。
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Research Products
(15 results)