Relationship between atrial fibrillation and periatrial adipose tissue

2020 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17K09529
• Research Institution: Juntendo University
• Principal Investigator: 山本 平 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70301504)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315) ; 嶋田 晶江 順天堂大学, 医学部, 助教 (20439326)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 心臓手術 / 術後心房細動 / 左房拡大 / 脂肪 / 炎症 / ミトコンドリア

Outline of Annual Research Achievements

当院において開心術を受けた成人症例のうち、左心耳および周囲脂肪採取および解析の同意が得られた症例を対象とした。なお術前の病歴において一過性のものを含む心房細動の既往があるもの、入院時心電図にて心房細動があるものは除外した。対象症例を術後心房細動（poAF）を起こした群とそうでない群（poSR）の2群に分けた。全279例の解析を行い、そのうちpoSRは178例（63.8%）、poAFは101例（36.2%）だった。年齢は62.1 vs 70.1 [歳]（p <0.001）とpoAFで有意に高かった。女性の割合、平均BMI: に差はなかった。また術前の合併症や透析の有無にも差は見られなかったが、eGFRはpoAF群で有意に低下していた。手術では冠動脈バイパス術、大動脈弁置換術、僧帽弁手術にも有意差はなかった。術前心エコーにおいて左房径はpoSR vs poAF＝37.8 vs 40.5 [mm]（p <0.01）とpoAFで有意に拡大していた。一方で術前にグラフトの評価目的として造影CTを撮影しているものについて左房容積を画像解析ソフトを用いて解析したところ、術後AF発生の予測因子として左房径よりも精度が高かった。
左心耳周囲の脂肪組織の遺伝子発現の比較検討では、Collagen-1、TGFb1-3のいずれも差はなく、炎症性サイトカイン（IL-1β、TNFα、IL-2、IL-6ともいずれも有意差はなくむしろpoAF群で低い傾向がみられた。ミトコンドリア関連遺伝子にはいずれも有意差は認めなかった（NRF1、 PGC1α、NDUFB8、ND6）。左房壁を組織染色したところ、脂肪組織が左房組織内に浸潤している像が高率に観察され、また外膜側のみならず内膜層にも浸潤している像が観察された。特にメイズ手術後にもAFが改善しない症例で脂肪が多い可能性が示唆された。