2017 Fiscal Year Research-status Report
臨床実用化を目指した薬理的迷走神経刺激による新規心血管再生治療法の確立
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17K09544
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
李 梅花 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任研究員 (60443496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 燦 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特任研究員 (50443495)
稲垣 正司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80359273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 慢性心不全 / 薬理的迷走神経刺激 / 心臓リモデリング / 心血管新生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、迷走神経の電気刺激による急性心筋梗塞ラットでの著明な抗不整脈効果や、慢性心不全ラットの長期生存率の改善作用を報告した。そして、心筋梗塞後重症心不全ラットにアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル)を経口投与し、慢性心不全に対する薬理的迷走神経刺激治療効果を検討した。その結果、ドネペジル投与によって心臓リモデリングが抑制され、長期生存率が著明に改善することが明らかとなった。さらに、ドネペジルとロサルタンの併用投与によって、より優れた心不全予後改善効果も報告した。これらの治療効果の機序として、低下した迷走神経賦活化による心負荷軽減以外に、心血管新生作用や抗アポトーシス効果、ギャップ結合のリモデリング抑制作用の関与が推測されているが、詳細は不明である。本研究では、心筋梗塞・慢性心不全の新しい治療戦略として、薬理的迷走神経刺激による新規心血管再生治療法の確立するために、ドネペジル投与による心筋梗塞ラットモデルで内在性心筋幹/前駆体細胞の増殖・分化誘導に対する影響を検討する。また、薬理的迷走神経刺激による抗炎症・抗アポトーシス効果・免疫調節効果、心臓リモデリング、長期生存率等におよぼす影響を詳細に検討することによって、薬理的迷走神経刺激による心血管再生と治療効果との関係を明確に評価する。本年度の研究では、麻酔下に作成した再灌流心筋梗塞ラットモデルを無作為にドネペジル治療群(DT, n=25)と偽治療群(UT, n=25)に振り分けて早期から10週間の治療を行った。その結果、治療7日で、UT群に対してDT群では、心臓内のアポトシス・マクロファージの浸潤を有意に抑制することによって、心筋細胞生存率を著明に上昇させ、次に進行する心筋細胞の繊維化をを有意に抑制し、心筋梗塞面積を有意に低下した。そして、覚醒下の心拍数を有意に低下し、心臓リモデリングや心機能も有意に改善した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の達成度について。おおむね順調に進んでいると思える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として、臨床実用化を目指して、心筋梗塞・慢性心不全の新しい治療戦略として、薬理的迷走神経刺激による新規心血管再生治療法の確立するために、ドネペジル投与による心筋梗塞ラットモデルで内在性心筋幹/前駆体細胞の賦活化・増殖と心血管細胞への分化誘導に対する影響を詳細に検討する。また、薬理的迷走神経刺激による抗炎症・抗アポトーシス効果・免疫調節効果、心臓リモデリング、長期生存率等におよぼす影響を詳細に検討することによって、薬理的迷走神経刺激による心血管再生と治療効果との関係を明確に評価する。
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Causes of Carryover |
平成30年度は、平成29年度の研究を継続して、薬理的迷走神経刺激が内在性心筋幹細胞を賦活化し心血管を再生するメカニズムを検討するとともに、臨床応用に向けて最も重要な情報である長期生存率の評価を行うために、急性再灌流心筋梗塞ラットモデルに対するドネペジル治療群と偽治療群(各30頭)に対して心電図・血圧モニタと定期的な心エコー検査を行いながら6ヶ月間にわたって観察を行い、生存率を評価する。 以上の理由で、心電図・血圧モニタの再生、または様々な研究用試薬、抗体、ELIZA kitの購入,研究成果の発表による学会参加の出張、論文の雑誌投稿等に必要な金額である。
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Research Products
(7 results)