2019 Fiscal Year Annual Research Report
Exploratory research for novel therapeutic mechanisms to normalize right ventricular function in pulmonary hypertension
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17K09549
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
大郷 剛 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (80617077)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺高血圧症は希少難治性疾患であり根治法はない。肺高血圧により右心不全となり死亡に至る。現在右心機能不全への治療法の開発が重要課題となっている。本研究では肺高血圧症における右心機能の回復維持メカニズムに着目し、「適応右室」の臨床的特徴、臨床に即した有用な評価法を確立し、その機序を解明する。我々の検討でBPA後の残存右心機能低下例は、全体の半数以上と多く心電図でのQRS幅は残存する右心室線維化を反映している可能性を示した。この右心室線維化に対して、非侵襲的に心臓MRIの新規撮影方法でT1マッピング法を用いて肺高血圧症の右心機能評価、肺高血圧症のリスク評価への検討を行った。3.0T MRI装置で肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者30例と健常者7例を対象とした。PAH患者では、健常者と比較して右室T1値が上昇していた(1384±74ms vs. 1217±57ms, P<0.001)。右室T1値はBNP値と正に相関(R=0.394, P=0.034)し、右室収縮末期elastanceと負に相関(R=-0.533, P=0.003)していた。ROC解析では、右室T1値は12ヶ月後の右室駆出率(RVEF)低下の予測に有用であった(AUC=0.875, P=0.026)。さらに多変量解析では、右室T1値は複合イベント発生の独立した関連因子であり(HR 1.025, P=0.021)、右室T1値が高い群ではイベント発生が有意に多かった(P<0.001)。右室T1値はBNPや右室収縮性指標と関連し、フォローアップ時のRVEF低下の予測に有用であった。T1値はPAHの新たなイメージングバイオマーカーとなる可能性があることが判明した。この結果は論文化しており現在投稿中である。
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Research Products
(7 results)