2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病によるストレス誘導性細胞老化のROCKによる制御:基礎から臨床へ橋渡し研究
Project/Area Number |
17K09554
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
野間 玄督 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (00379893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 幸仁 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (40346490)
中島 歩 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 共同研究講座教授 (40448262)
高橋 信也 広島大学, 病院(医), 講師 (70423382)
田口 隆浩 広島大学, 病院(医), 助教 (70772010) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管障害 / 糖尿病 / 老化 / ROCK |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、in vitro(内皮細胞)およびin vivo(マウス)研究では、糖尿病によるストレス誘導性細胞老化を介した脳心血管障害におけるRho-associated kinase (ROCK)の役割を、in vitro (内皮細胞)とin vivo(マウス)実験にて検討することである。またROCKにはROCK1とROCK2の二つのアイソフォームがあるために、高グルコース条件下におけるストレス誘導性細胞老化におけるそれぞれのアイソフォームの役割も検討する。また臨床研究では、糖尿病による細胞老化を介した血管障害、臓器障害に対してのROCK阻害効果を、白血球ROCK活性、flow-mediated dilation(FMD)、brachial-ankle pulse wave velocity(baPWV)を用いて検討、更には脳心血管疾患の追跡予後評価をする。
(1)In vitro(内皮細胞)による検討では、高グルコース培養液 72時間刺激ではeNOSの発現は軽度亢進、eNOSリン酸化は低下、ROCK活性は亢進した。ROCK阻害薬の投与によって、eNOSリン酸化の低下、ROCK活性の亢進は軽減した。TNFα投与における検討では再現性にまだ問題が残り、培養条件を少しずつ変えながら検討している。またROCK2KO内皮細胞、ROCK1KO内皮細胞の検討により、内皮におけるROCK2の方がストレス誘導性細胞老化により強い関与が認められた。
(2)In vivo (マウス) による検討は、上記の如くにin vitroによる検討により、ROCK2がストレス誘導性細胞老化に関与しているため、WT(littermate)およびROCK2KOマウスを用いて施行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
In vitro実験においての、ROCK1KO、ROCK2KO内皮細胞にコンタミンがあり、再現性に問題があったために、結果を得るのが遅れていた。現在は、培養条件も確認できており、問題なく進んでいる。In vivo (マウス) 実験においては、WT(littermate)、およびROCK2KOマウスに特化しているため、現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年度)のin vitro研究においては、ROCK1およびROCK2、特にROCK2に特化してストレス誘導性細胞老化における内皮細胞を用いたシグナルを更に詰めての検討、そしてWT(littermate)、ROCK2KOマウスを用いたin vivo検討を進める。臨床観察研究における、白血球ROCK活性、FMD、PWV等を用いた臨床研究データも蓄積中である。
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Causes of Carryover |
In vitro実験においてROCK1KO、ROCK2KO内皮細胞のコンタミンによる再現性に問題が生じ、遅延が生じたために次年度へ持ち越し使用が必要となった。現在は、in vitro実験、マウス実験においても実験は進行している。具体的には、in vitro実験では内皮のストレス誘導性細胞老化におけるROCK2の老化促進シグナルの確認実験を計画しており、またマウス研究ではストレス誘導性細胞老化がROCK2KOマウスにおいて軽減していることをin vivo研究で確認中である。実験の完遂によって、in vivoデータ、in vitroデータ、双方の完成を予定している。
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