2017 Fiscal Year Research-status Report
生体内画像診断法によるプラーク内コレステロール結晶の検出と病態における役割の解明
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17K09557
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
片山 陽介 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (10714214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 篤 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50458072)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コレステロール結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はコレステロール結晶析出の程度により、プラークの進展・不安定化過程が異なるという仮説のもと、マウスを用いて大動脈を高解像度OCTで経時的に観察し、初期病変におけるコレステロール結晶の析出の程度を評価する予定であった。今年度はまずは臨床面から安定狭心症患者214例と心筋梗塞患者202例のOCT画像を観察し、コレステロール結晶の局在と性状を評価し、両者の比較を検討した。その結果を平成30年度の欧州心臓病学会(ESC)で報告予定である。その中でコレステロール結晶の局在が内膜に近いほど冠動脈のプラークラプチャーを来す頻度が多いことが確認された。加えて、コレステロール結晶の存在と冠動脈病変の治療後における冠動脈の血流遅延についても追加解析を行っている。その他、剖検症例からの心臓に対しOCTで冠動脈の評価を行い、コレステロール結晶を観察した冠動脈の病理標本を作製し、OCT画像上のコレステロール結晶と病理標本との整合性を評価している。また、急性心筋梗塞患者の責任病変における冠動脈内の血液サンプルを採取し、それらの血栓の中からコレステロール結晶が含有しているかどうかを検討している。同時に血液サンプルのIL-1βなどのサイトカインとの関連も検討中である。マウスを用いた研究に関しては、マウスの大動脈にコレステロール結晶の代わりとなるマイクロニードルを留置し閉創し、2-3週間後の血管反応を観察し、実験系が再現性を持って行えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスを用いた研究では大動脈にコレステロール結晶を留置する実験系の開発に成功した。臨床面では心筋梗塞患者におけるコレステロール結晶とプラークラプチャーの関係に迫ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究面ではコレステロール結晶の作成および大動脈内への投与方法の開発を行う予定である。臨床研究面では安定狭心症におけるコレステロール結晶を有する冠動脈がどのような経過を辿るかを前向きに検討する方針である。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりマウスを用いた実験の進捗が遅れているため費用を節約できた。次年度に研究を進める予定であるため、そこで予算が必要になると考えられる。
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