2018 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた誘導心筋細胞による心筋再生療法の開発
Project/Area Number |
17K09574
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 和久 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (90644659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 一雅 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (40709119)
林田 竜 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40781240) [Withdrawn]
柴田 玲 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (70343689)
室原 豊明 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90299503)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再生医療 / 心筋再生 / 脂肪細胞 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
①我々はまず、脂肪組織由来間葉系幹細胞(ADRC)の心筋分化誘導に必要と考えられる候補因子を次世代シーケンサー(NGS)を用いて検証した。8週の野生型マウスよりADRCを採取・培養しmRNAを抽出、比較対象として2心房2心室が形成される時期であるE10.5の胎児マウス心筋からmRNAを抽出した。NGSの解析をすすめ、最終的に22の因子を候補因子として同定した。この22因子の中には、すでに報告されている心臓線維芽細胞のダイレクトリプログラミングに用いられるGata4、Mef2c、Tbx5(GMT)も含まれることが確認された。
②それぞれの転写因子をウイルスベクターに挿入しクロ-ニングを行った。心筋特異的リポーターであるαMHC-GFPトランスジェニックマウスより作成したADRCに、レンチウイルスを用いてADRCへの遺伝子導入を行なった。GMT導入では心筋分化誘導は確認できなかった。次に22の転写因子のうち胎児心筋において発現量の多い上位10遺伝子(Nkx2-5、Hrt2、Gata6、Gata4、Hand2、Mef2a、Baf60c、Tbx20、Klf15、Myocd)を導入したところ、10から14日後にGFP陽性細胞を認める結果が得られたが、陽性細胞の割合は0.1%以下と低く、誘導効率の改善を必要とした。そのため、10因子よりそれぞれ1因子ずつ引いた9因子で比較検証を行ったところ、10因子からHrt2を除いた9因子にてGFP発現が有意に上昇していることを突き止めた。同様の方法で検討を続けたところ、最終的にGata6、Gata4、Mef2a、Baf60c、Klf15、Myocdの6因子で効率が最も良いという結果を得た。
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