2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapeutic approach for diabetic cardiomyopathy by modification of AMP deaminase activity.
Project/Area Number |
17K09584
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
丹野 雅也 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (00398322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 俊之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40444913)
三浦 哲嗣 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90199951)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病性心筋症 / 拡張機能障害 / AMPデアミナーゼ / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性心筋症は、発症早期には左室拡張機能障害を呈し、左室収縮能の維持された心不全(HFpEF)の主要な原因の一つである。これまでに、AMPデアミナーゼ(AMPD)活性亢進により惹起されるアデニンヌクレオチドプールの減少、ATPレベルの低下が糖尿病性心筋症の拡張能機能障害に寄与することを見出した。そこで、その制御を糖尿病性心筋症治療に結びつけるために、2型糖尿病心筋におけるAMPD活性亢進の機序を検討した。AMPD活性制御の機序として、AMPDのリン酸化は糖尿病、非糖尿病で差は無かった。AMPDには全長型90-kDaとN末端が切除された78-kDaの2種類のタンパクが存在するが、そのうち90-kDaの全長型の発現レベルは糖尿病合併心筋で非糖尿病心筋と比較して上昇していた。ユビキチンプロテアソームによるAMPDのタンパク分解は、むしろ糖尿病心筋で、非糖尿病心筋と比較して亢進していた。そこで、翻訳制御による修飾を考え、microRNA array解析をおこなった。糖尿病心筋で発現が50%以上低下しており、かつAMDP3 mRNAの3'非翻訳領域に結合することが予測アルゴリズムにより想定される5つのmiRNAを同定した。さらに、各々のmiRNAのihhibitor, mimicをトランスフェクションして、AMPD3の発現を観察することによりmiR-301bが糖尿病心筋でのAMPD3の発現亢進に寄与することを見出した。さらに、miR-301b inhibitorを新生児ラット心筋細胞にトランスフェクションをすると、用量依存性に心筋細胞内のATPレベルが減少したことから、糖尿病心筋におけるmiR-301bの減少が心筋ATPの減少およびそれが寄与する、圧負荷下での糖尿病合併心の拡張機能障害を説明しうるものと考えられた。
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Research Products
(6 results)