2019 Fiscal Year Annual Research Report
The role of inflammation on the development of occlusive lesions in pulmonary arterial hypertension
Project/Area Number |
17K09591
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 弘太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (20588107)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 裕之 九州大学, 医学研究院, 教授 (70264017)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 肺高血圧症 / 血行動態ストレス / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血行動態ストレスが炎症を介し肺血管閉塞性病変の進展・維持するという新たなパラダイムのもと、炎症と閉塞性肺血管病変の進展・維持に関わる分子機構を解明し、新たな難治性肺高血圧症の治療戦略の確立を目的とする。 申請者らは、これまで肺動脈性肺高血圧症の血管病変の進展・維持に血行動態ストレスを軽減し、炎症が抑制され閉塞性病変が退縮することを報告した (Abe K, et al. Cardiovasc Res. 2016)。近年、toll-like receptor 9(TLR9)が血行動態ストレスによって活性化することが心筋細胞レベルで報告されており、TLR9に着目して研究を進めた。 2017-2018年度はモノクロタリン誘発性肺高血圧症ラットモデルの肺組織における炎症シグナルを検討した。免疫染色法を用いて、肺パラフィン切片におけるCD68(マクロファージ)陽性細胞集簇を同定した。PCR法を用いて、肺組織のIL-6上昇とELISA法によるNFκBの活性も確認した。また、Western blot法を用いて、TLR9活性化も確認した。また、肺高血圧症ラットに対してTLR9阻害剤を短期経口投与することでNFkBとIL-6が著明に抑制された。 2019年度は、TLR9活性化がNFkBやIL-6活性化の主たる受容体であるという仮説のもと、肺高血圧症ラットに対してTLR9阻害剤の慢性投与を行ったところ、NFkBとIL-6と肺高血圧も著明に抑制された。 本研究では、肺高血圧症の進展に伴って上昇した血行動態ストレスがTLR9を活性化し、炎症と肺高血圧症が進展することが明らかとなった。
|
Research Products
(15 results)