2020 Fiscal Year Annual Research Report
Vascular/organ association via ERK2 in insulin resistance
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17K09596
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
難波 貴之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 内科, 講師 (90726499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞崎 暢之 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 講師 (00364795)
佐藤 泰司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生化学, 教授 (10505267)
足立 健 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 教授 (50231931)
東谷 卓美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 助教 (60781515)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 / 血管内皮細胞 / 肺高血圧 / 一酸化窒素 / 血管収縮因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮におけるERK2の役割を、血管内皮特異性ERK2欠損マウス(EE2KO:Tie2-ERK2)を用いて検討する。高脂肪、高ショ糖を負荷したところ、血管内皮における酸化ストレス増強と血管内皮障害が引き起こされた。一方で、EE2KOではそれが軽減され、血管内皮機能が改善した。EE2KOでは血管内皮収縮因子TXA2の血中濃度が低下していた。TXA2受容体阻害剤S18886を投与したところ、EE2KOと同様に血管内皮機能が改善した。ERK2/TXA2経路はミトコンドリアからの活性酸素を増加させ、eNOSからのNO産生低下とNO不活化に働いている事が判明した。これよりインスリン抵抗性ではERK2はTXA2合成によりNO作用を減弱している事が判明した。興味深いことに、EE2KOやS18886投与はOGTTやインスリン負荷テストを改善して、インスリン抵抗性病態を改善させた。また、インスリン抵抗性の合併症である脂肪肝、脂肪肝炎を改善させた。これによりERK2/TXA2経路阻害は糖尿病・肥満の治療に役立つ可能性が示唆された。血管収縮因子阻害により酸化ストレスを軽減し血管壁NO活性を増加させる。この事が末梢循環を改善して、インスリン作用を増強し、インスリン抵抗性を改善している可能性が考えられた。 現在研究を低酸素性肺高血圧モデルに移して、研究を拡大している。低酸素負荷により肺高血圧が誘発されるが、EE2KOでは著名に改善した。EE2KOは低酸素で起こるeNOS Uncouplingを軽減しており、NO活性増強から肺高血圧を改善した。現在この機序を検討して新たな肺高血圧症治療につなげたい。
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