2017 Fiscal Year Research-status Report
心血管形態形成および病態における内皮分化制御の分子機構
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17K09598
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
岩田 裕子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80171908)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 機能未知蛋白質 / イオン輸送体 |
Outline of Annual Research Achievements |
心血管系の発生及び形態形成は胎児の発育に必須である。また成人においても、虚血性心疾患や癌における血管新生・内皮分化は疾患抑制にも増悪にも働く重要な現象である。同様に、伸展や血流などのメカニカル刺激は発生・形態形成に重要であるが、過度の刺激は病態悪化の原因に繋がる。近年同定された機能未知蛋白質の欠損マウスは心血管形成異常により胎生致死になることが判明したが、その詳しいメカニズムは不明である。この蛋白質はイオン輸送体と結合して機能することが示唆されているが詳細は不明である。本研究の目標は、心血管形態形成及び病態における機能未知蛋白質の生理的・病態的役割をその結合イオン輸送体解析から明らかにすることである。そのためまず機能未知蛋白に結合するイオン輸送体の同定を試みた。いくつかのメカニカル刺激感受性イオン輸送体と機能未知蛋白質との結合の有無を機能未知蛋白の発現が最も多い肺組織を用いて免疫沈降法を用いて調べた。機能未知蛋白質の全長及びN末、C末ペプチドとGST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)またはMBP(マルトース結合蛋白)との融合蛋白質を作成し、同定されたイオン輸送体との結合を確認した。両者は肺の血管内皮細胞において共局在していた。同定されたイオン輸送体と機能未知蛋白質をHEK293細胞に強制発現させたところ、両者は局在が一部一致していた。さらにイオン輸送体活性に対する機能未知蛋白質の影響を調べた。機能未知蛋白に結合するメカニカル刺激感受性イオン輸送体が同定できたことは今後 この蛋白を解析する上で非常に重要な進展である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能未知蛋白に結合するイオン輸送体が同定できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
同定できたイオン輸送体について解析するとともに、その心血管病態発症における役割、特に内皮分化における役割について解析していくつもりである。
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Causes of Carryover |
予定していた人件費と旅費の支出が少なかったためで、次年度の人件費・謝金として使用予定である。
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Research Products
(11 results)