2018 Fiscal Year Research-status Report
Kinectセンサーによる慢性呼吸器疾患患者に対する運動機能検査法の確立
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17K09627
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
仲村 秀俊 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00217879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 広宙 千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (60380193)
間嶋 満 埼玉医科大学, 医学部, 客員教授 (70165702)
三尾 友彦 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (70774595) [Withdrawn]
三浦 雄 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50774543)
赤上 巴 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (80796053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Kinectセンサー / 慢性呼吸器疾患 / 運動機能検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度はKinectセンサーを用いた運動中の呼吸モニタリングシステムについて、慢性閉塞性肺疾患患者での測定が可能かどうかの検証を開始した。閉塞性障害の重症度Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの各1例で呼気ガス分析との同時測定を行ったところ、重症度Ⅰ、Ⅱでは健常者とほぼ同様に嫌気性代謝閾値を判断することができた。重症度Ⅲでは換気量の変曲点の同定が難しかった。その後、Kinectセンサーを用いた測定システムに不具合が生じたため、現在修復作業を行い、近日中に測定を再開できる見込みとなった。 Kinectセンサーに代わるRealSenseを用いたシステムの構築にも進展がみられた。健常者でのデータの検証を経て、1~2か月後にはKinectとほぼ同等のパフォーマンスのシステムとして使用開始できる見込みである。 今年度は次年度にむけて、約40例のCOPD患者ならびに対照となりうる患者の臨床データの解析を行った。閉塞性障害の重症度に加え、6分間歩行距離とその際のSpO2低下、加速度計による身体活動性、肺拡散能、胸部CTにおけるLAA%, 患者QOL(mMRC, CAT)を評価した。 Kinectセンサーは既存の製品を応用した優れたシステムであるが生産中止により今後の量産は難しい。その点でRealSenseを用いたシステムの構築は重要である。いずれにしても、全く患者の負担がない方法で運動中の呼吸器疾患患者の呼吸運動を解析することができれば、運動耐容能の測定に加え、日常の運動機器として発展する可能性もある。COPDの運動制限因子に着目した場合には、気流閉塞以外に、6分間歩行距離とその際のSpO2低下、加速度計による身体活動性、肺拡散能、LAA%, 患者QOLなどの関与について、明らかになるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Kinectセンサーを用いたシステムの故障があった。また、RealSenseを用いた新たなシステムの構築のため時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
Kinectセンサーのシステム故障は修復のめどが立っており、RealSenseのシステムも平成31年度中には稼働できる見通しである。今年度はKinectセンサーと呼気ガス分析の同時測定を健常者とCOPD患者で再開し、Kinectセンサーの有用性を確認する。その後、Kinectセンサー単独で、できるだけ多数の呼吸器疾患患者での運動中の呼吸運動解析を実施する。さらに、新たなRealSenseのシステムの検証と臨床応用を進めてゆく。
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Causes of Carryover |
平成30年度にはKinectセンサーのシステムに不具合が生じ、同センサーで使用する機器の購入を一時見合わせていた。しかし、現在Kinectセンサーのシステムは回復したため、当初の予定通り、研究の進行が可能となった。今年度は平成30年度に購入予定であった機器も購入し、COPD患者での検討を中心として、機器の開発と有用性の検証を進めてゆく。RealSenseを用いた新たなシステムの開発と検証も併せて行ってゆく。
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