2020 Fiscal Year Research-status Report
Kinectセンサーによる慢性呼吸器疾患患者に対する運動機能検査法の確立
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17K09627
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
仲村 秀俊 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00217879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 広宙 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (60380193)
間嶋 満 埼玉医科大学, 医学部, 客員教授 (70165702)
三尾 友彦 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (70774595) [Withdrawn]
三浦 雄 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50774543)
赤上 巴 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (80796053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動負荷 / 呼吸運動 / Kinectセンサー / COPD / 間質性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
Kinectセンサーと呼気ガス分析の同時解析を健常者9名、COPD患者6例で施行した。エルゴメータによる心肺運動負荷試験では、20W/分のRAMP法を用いた。Kinectセンサーでは13例で嫌気性代謝閾値(AT)が評価可能であった。Kinectセンサーと呼気ガス分析でのATの差は平均で5秒であった(171 vs 166秒)。一部の症例では60秒以上の誤差もみられた。一方、呼吸器内科病棟での入院中の患者のリハビリテーションに際し、エルゴメータによる漸増運動負荷時に、Kinectセンサーによる呼吸運動解析を実施した(間質性肺炎6例、COPD1例、肺がん1例)。Kinect単独での解析ではあるが、8例中6例でATの評価が可能であった。これらの結果は2021年4月の日本呼吸器学会にて発表した。今回の結果からは、COPD、間質性肺炎などの慢性呼吸器疾患患者においても、漸増運動負荷試験中のKinectセンサーによる呼吸運動解析が可能であり、ATの評価により適切な運動処方が可能になるものと期待される。さらに、呼吸器疾患患者の運動中の呼吸運動については、未解明の部分も多く、様々な疾患での応用が期待される。 一方で、将来の機器の普及を見据え、Kinectセンサーに加え、RealSense Depth Cameraを用いたシステムの開発も同時に進めている。現在使用しているKinect v2は将来的に入手が困難になると考えられるためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
運動負荷試験を含む呼吸機能検査は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、実施が難しい状況が続いていた。具体的には、被検者の運動中の飛沫による検者への感染リスクと機器の汚染が問題となった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスに対する感染対策が明らかになってきたため、被検者に対するPCR検査と健康観察、運動中のマスクと専用シャツの着用、検者のマスクならびにゴーグルの装着、機器の消毒を徹底し、研究の再開と継続が可能になると考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症により進捗が遅れたが、研究継続に伴い、消耗品費、学会発表、論文投稿にかかわる費用が必要である。また、研究進展に伴い、運動前後でのmyokineの測定費用や、将来のシステム継続に要するAzure Kinect DKの購入などにも使用する予定である。
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