2017 Fiscal Year Research-status Report
Significance of genetic alterations and glycosylation in PD-L1 and their biomarker development
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17K09638
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
秋田 弘俊 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70222528)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非小細胞肺癌 / PD-L1タンパク質発現 / PD-L1遺伝子変異解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌において抗PD-1/PD-L1抗体薬の治療効果予測因子PD-L1免疫染色には同一腫瘍内の不均一性や臨床経過による変化があり、より“固定的で安定な”治療効果予測因子の開発が求められる。本研究では、PD-L1の遺伝子変異について解析し、腫瘍免疫病態への関与を明らかにするとともに、新たなバイオマーカーを探索している。 北海道大学病院の非小細胞肺癌手術検体154検体(ホルマリン固定パラフィン包埋材料)から薄切組織切片を作製し、PD-L1免疫組織化学染色を実施した。抗PD-L1抗体としてはクローンSP142を用いた。また、北海道大学病院病理部に設置されている自動染色器を使用した。1980年代から1994年の比較的古い非小細胞肺癌手術検体を用いた研究であるが、PD-L1発現を安定的に検出することができた。PD-L1タンパク質発現を判定したところ、154検体中51検体(33%)でPD-L1の発現を認めた。性別や喫煙歴、患者生存期間・予後などの臨床的因子との関係、組織型や分化度、TNM分類などの臨床病理学的因子との関係を統計学的に解析している。 また、非小細胞肺癌手術検体154検体からDNAを抽出精製し、PCR法で遺伝子増幅の後、次世代シークエンサーを用いてPD-L1遺伝子変異解析を行っている。検体は古いホルマリン固定パラフィン包埋材料であり、次世代シークエンス解析が難しく、繰り返してDNAの抽出と精製を要している検体もあるが、次世代シークエンス解析を実施できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非小細胞肺癌手術検体154検体のPD-L1免疫組織化学染色を順調に実施した。154検体中51検体(33%)でPD-L1の発現を認め、PD-L1高発現と分化度との有意な関係、PD-L1高発現肺癌の患者における低発現の患者に比して生存期間が短い傾向を認めており、順調に研究結果が得られている。 非小細胞肺癌手術検体154検体からDNAを抽出精製し、P次世代シークエンサーを用いてPD-L1遺伝子変異解析を行っている。検体は古いホルマリン固定パラフィン包埋材料であり、DNAの質が低いために次世代シークエンス解析が難しく、DNAの抽出と精製の繰り返しを要している検体もあるが、繰り返してDNAの抽出と精製を行うことで次世代シークエンス解析ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
非小細胞肺癌手術検体154検体におけるPD-L1タンパク質発現(免疫組織化学染色)と、喫煙歴や患者予後などの臨床的因子との関係、組織型やTNM分類などの臨床病理学的因子との関係とともに、PD-L1タンパク質発現の意義を明らかにする。 非小細胞肺癌手術検体154検体におけるPD-L1遺伝子変異の頻度を明らかにするとともに、PD-L1タンパク質発現(免疫組織化学染色)との関係、喫煙歴や患者予後などの臨床的因子との関係、組織型やTNM分類などの臨床病理学的因子との関係を統計学的に解析し、PD-L1遺伝子変異の意義を明らかにする。 併せて、肺癌細胞株を用いた研究も実施する。
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