2018 Fiscal Year Research-status Report
Ⅰ型肺胞上皮由来物質RAGEを用いた特発性肺線維症の病態解明の試み
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17K09655
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩本 博志 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 講師 (60457398)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RAGE / 特発性間質性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症患者の血清中のRAGEリガンドHMGB1の検討をおこない、安定期の特発性肺線維症患者では健常者と比較して血中HMGB1が高値であり急性増悪症例では更に顕著な上昇を認めた。安定期のHMGB1高値は急性増悪の予測因子であり、急性増悪症例においてはHMGB1高値は予後不良因子であった。これらの結果からHMGB1が特発性肺線維症患者の急性増悪の病態に関与していることが示唆され第59回日本呼吸器学会総会にて学会発表をおこなった(論文投稿中)。特発性肺線維症患者の気管支肺胞洗浄液中のesRAGEと予後、急性増悪についても詳細な検討をおこない学会発表をおこなった。ブレオマイシンの経気道投与を行ったC57BL/6マウスによるブレオマイシン肺傷害モデルマウスを作成し、RAGE阻害薬(FPS-ZM1、TTP488)による治療実験、条件検討を継続している。さらにRAGEリガンドの中で線維化に関連している分子(S100A9)についてその阻害によるブレオマイシン肺傷害モデルの治療実験を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床検体によるHMGB1の特発性肺線維症における体内動態の特徴、急性増悪に関わることを明らかにした。動物実験、基礎実験ともにRAGE-RAGEリガンド経路の阻害による治療効果の検証を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
特発性肺線維症患者におけるRAGE,RAGEリガンドのバイオマーカーとしての意義について総括し論文発表を行う。動物実験、細胞実験ともに治療効果の検証を行うとともに、病態に関与する機序について明らかにしてゆく予定である。
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Research Products
(7 results)