2019 Fiscal Year Annual Research Report
Pulmonary fibrosis treatment with pulmonary surfactant as a TLR regulatory molecule and HSP47 inhibition
Project/Area Number |
17K09662
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 弘毅 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60231396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 素子 札幌医科大学, 医学部, 教授 (00303941)
千葉 弘文 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (40347175)
大塚 満雄 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10398323)
黒沼 幸治 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40563250)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺サーファクタント / 肺傷害 / 間質性肺炎 / 内科 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
背景:サーファクタント蛋白質(SP)-Aは、Toll様受容体(TLR)を介する自然免疫機構の調整を司る生理活性物質であり、欠乏状態では炎症が過剰に惹起される。一方、HSP47はコラーゲン産生促進作用をもち、肺線維症の難治化に筋線維芽細胞が深く関与している。申請者らは、siRNA HSP47を用い筋線維芽細胞内でのコラーゲン過剰産生を抑制する新たな治療法を考案することとした。 本研究の目的:SP-A補充とHSP47ノックアウトを併用し、II型肺胞上皮細胞のアポトーシスと炎症・線維化を病態の主座とする特発性肺線維症に対する新たな治療戦略を開発することである。 方法:MicroSprayerを使用し、週齢8週のマウスにブレオマイシン (BLM)を経気道的投与し、肺傷害・肺線維化モデルを作成した。また、SP-A欠損下では肺傷害/肺線維化病変形成が顕著になるかどうかを検討する目的で、週齢8週のSP-A(-/-)マウス及び野生種C57BL/6マウスにBLMを経気道投与し肺傷害・肺線維化モデルを作成した。さらにBLMモデルマウスにsiRNA HSP47を経静脈投与し、肺傷害/肺線維化病変を評価した。 結果:SP-A欠損マウスでは野生種に比べ、炎症・線維化が増強した。また、siRNA HSP47は肺傷害を軽減し、BLM誘導気道炎症を抑制した。 結論と今後の展望: SP-A及びsiRNA HSP47は肺傷害/肺線維化病変の形成を抑制し、両者の併用が肺線維症の新たな治療法のひとつになりうることが示された。今後、精製SP-Aを経気道的に補充し期待される効果が実際に得られるか確認する必要がある。また、ラット肺胞マクロファージやU937細胞を用いたBLM刺激によるサイトカインの制御機構を検討し、また、HEK293細胞にToll様受容体などの遺伝子を導入し、HSP47誘導シグナルを解明していく。
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Research Products
(3 results)