2017 Fiscal Year Research-status Report
肺線維症合併肺癌に対する制御性T細胞を標的とした新たな治療戦略の探索
Project/Area Number |
17K09663
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
本津 茂人 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90458034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 利洋 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00595712)
北畠 正大 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60457588)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 特発性間質性肺炎合併肺癌 / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性肺線維症(IPF)は高率に肺癌を合併するが、低肺機能、急性増悪を懸念して、既存の治療法は困難な場合が多い。また、免疫チェックポイント阻害薬の開発によってがんに対する免疫療法は格段の進歩を遂げたものの、IPF合併肺癌に対しては、抗腫瘍免疫の活性化による線維化への影響が不明なことから、積極的な使用に至っていない。 本研究では、IPF合併肺癌の病態、特に線維化・腫瘍に与える免疫系の影響を制御性T細胞の観点から明らかにし、IPF合併肺癌の治療戦略の基盤を確立することを目的とする。 本年度は、当院で施行したIPF合併肺癌の手術検体を用いて、腫瘍浸潤FOXP3陽性細胞数と予後の関連を検討した。免疫染色の手法を用いて、腫瘍浸潤FOXP3陽性細胞の検出に成功した。症例集積を進め、予後との関連を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当院で施行したIPF合併肺癌の手術検体で免疫染色の手法を用いて、腫瘍浸潤FOXP3陽性細胞の検出に成功したが、想定よりも手術検体の収集が少なく、制御性T細胞浸潤数と予後の関連性を明らかにするには至っていない。 現在も検体の収集を継続しており、手術検体の免疫染色をすすめている
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍局所ならびに線維化領域の組織学的解析から制御性T細胞や他の免疫担当細胞の細胞浸潤と腫瘍の悪性度、線維化、予後との相関をレトロスペクティブに解析し、IPF合併肺癌において、制御性T細胞が予後を増悪させる因子となっているかについて検討する。
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Causes of Carryover |
IPF合併肺癌の手術検体の集積が予想より少なかったため、次年度も引き続き、症例を集積し制御性T細胞やその他の免疫細胞の解析を継続する。
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Research Products
(2 results)