2018 Fiscal Year Research-status Report
難治性あるいは希少肺癌克服のための肺癌基礎研究臨床応用システムの構築
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17K09667
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安田 浩之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70365261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺癌 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、肺癌の分子レベルでの異常を標的とした分子標的治療薬が盛んに開発されている。それにより一部の肺癌患者の予後は改善した。しかし、依然肺癌患者の予後は不良である。現在も盛んに肺癌の基礎研究が行われているが、そこから得られた知見が十分に臨床現場に還元できていない現状がある。 本研究の目的は、肺癌の基礎研究から得られる知見を患者毎に臨床応用するシステムを構築することである。具体的には、我々が確立した研究基盤、臨床検体を統合的に使用し、①患者毎に分子標的治療薬に対する耐性機序の解明、②稀な遺伝子変異を有する肺癌に対する最適な治療法の解明を行い患者生存中に得られた知見を臨床現場に還元する。我々はがん研究センター、京都大学との共同研究により、肺癌における稀な遺伝子変異の薬剤感受性データを取得するとともに、in silicoで薬剤感受性を予測することに成功した。本内容は米国科学アカデミー紀要に掲載された。本研究成果は、臨床の現場で見つかる稀な遺伝子変異に対して、抗癌剤の効果をコンピューター上の計算で予測できるという可能性を提案する新たな知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に目標としていた論文での報告を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、肺癌領域では次世代シーケンサーを用いた癌細胞由来の遺伝子変異解析が一層進むことがさ予想される。その中で稀な遺伝子変異が多く出現することが予想されるため、本研究をさらに進め、より多くの遺伝子変異に対して有効な薬剤を選択するためのシステムの構築を目指す。具体的には、肺癌患者から同定される遺伝子変異情報をもとに、細胞実験に落とし込み、各遺伝子変異の様々な阻害剤に対する薬剤感受性を明らかにするとともに、それら薬剤感受性データを用いてin silico薬剤感受性システムの予測精度を向上させ、臨床応用に向けた検討を開始する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Molecular dynamics simulation-guided drug sensitivity prediction for lung cancer with rare EGFR mutations2019
Author(s)
Ikemura S, Yasuda H, Matsumoto S, Kamada M, Hamamoto J, Masuzawa K, Kobayashi K, Manabe T, Arai D, Nakachi I, Kawada I, Ishioka K, Nakamura M, Namkoong H, Naoki K, Ono F, Araki M, Kanada R, Ma B, Hayashi Y, Mimaki S, Yoh K, Kobayashi SS, Kohno T, Okuno Y, Goto K, Tsuchihara K, Soejima K.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: Epub ahead of print
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Efficacy of afatinib or osimertinib plus cetuximab combination therapy for non-small-cell lung cancer with EGFR exon 20 insertion mutations2019
Author(s)
Hasegawa H, Yasuda H, Hamamoto J, Masuzawa K, Tani T, Nukaga S, Hirano T, Kobayashi K, Manabe T, Terai H, Ikemura S, Kawada I, Naoki K, Soejima K.
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Journal Title
Lung Cancer
Volume: 127
Pages: 146-52
DOI
Peer Reviewed