2017 Fiscal Year Research-status Report
樹状細胞内オートファジーが規定する慢性閉塞性肺疾患病態
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17K09674
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
橋本 典生 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00771742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒屋 潤 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90468679)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / オートファジー / 慢性閉塞性肺疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はcigarette smoke extract(CSE)によるCOPDの気道上皮細胞の老化亢進に、不十分なオートファジー及びミトコンドリア選択的なマイトファジー分解が関与する可能性を報告している。また、私たちは、IL-1βにより誘導される好中球主体のCOPD炎症モデルにおいて、樹状細胞(DC)が末梢気道の炎症細胞浸潤の形成と線維化形成に重要であることを示した。DCがCOPDの慢性気道炎症の発症と線維化形成に重要であることを示したが、DC活性化によるTh1とTh17細胞誘導に至る機序は不明であった。そこで今回我々は、COPD病態へのオートファジーの関与に着目し、DCのオートファジー活性がその後の獲得免疫の誘導と気道周囲のTh1、Th17、好中球を主体とする炎症反応の誘導と線維化の進展に重要である可能性を明らかにすることが必要と考えた。 そこで、まず骨髄由来DC(BMDC)を用いて、サイトカイン産生に対するオートファジーの影響の検討するために、野生型マウスの骨髄からのBMDCの分化誘導をGM-CSF下で6日間培養を行った。この方法にて1匹のマウスより約5x10^6個のDCを誘導出来ることが確認でき、フローサイトメトリーを用いてもDCへの分化が確認出来た。現在は、タバコ抽出液(CSE)刺激やIL-1β刺激後などの種々の刺激によるBMDCのオートファジー活性の変化を検討している所である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの骨髄からBMDCを分化誘導出来る事を確認している。また、そのBMDCを用いて種々のIn vitroの実験を開始しており、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
COPD肺組織を用いて、免疫組織学的にDCのオートファジー活性との関連性を臨床検体で明らかにする。東京慈恵会医科大学附属病院の呼吸器外科において、肺癌の手術を行った患者さんから術前同意のもと、手術検体の肺の一部を採取し、組織検体は、Non-smoker、non-COPD smoker、COPDの患者から採取し比較検討する。免疫組織学的染色(CD11cを指標にして)によりDCを同定し、LC3、ユビキチン、p62の二重染色によりオートファジー活性を評価する予定である。 また、マウス肺から分離培養したDCを用いて、タバコ抽出液(CSE)刺激によるサイトカイン産生に対するオートファジーの影響の検討する予定である。
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Causes of Carryover |
In vitroの実験がメインであったが、in vivoの実験が多少遅れていることによるものと考えられる。今後は、In vivoの実験も取り組んでいく予定であり、フローサイトメトリーやセルソーティングなどもより積極的に行ていくことになる。
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