2018 Fiscal Year Research-status Report
肺線維化病態におけるエンドスタチンの作用機序の解明と新規バイオマーカーの探索
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17K09675
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 孝一郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (20465305)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エンドスタチン / 筋線維芽細胞 / 上皮間葉転換 / エクソソーム / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年はエンドスタチンとエクソソーム由来のmicroRNAとの関連を解析する事を中心に研究を進めた。エンドスタチンにより抑制されるmicroRNAとして、miR-19aがこれまでに報告されている。これはエンドスタチンがmiR-19aの転写因子であるSP-1を抑制する事によるものである。 まずC57BL/6マウスで、浸透圧ポンプを用いてブレオマイシン誘発肺線維症モデルマウスを作成して、エクソソーム由来のmiR-19aの経時的な変化を観察した。C57BL/6マウスにブレオマイシンを投与、投与前(day 0)、投与後day7, day14, day21, day28にマウスの血清からexosomeを単離(ExoQuick kitを使用)した。その後exosome中のmicroRNAをmirVana microRNA Isolation Kitを用いて抽出した。さらに3D-GENE microRNA arrayを用いて解析した。その結果、ブレオマイシン投与後、miR-19aは漸増し、day 14でmiR-19aの増加のピークを迎える事が確認された。これはその後、day 28へ向けて減少した。定量的PCRでvalidationを行い、その動向を確認する事ができた。 エンドスタチン中の特定のアミノ酸配列がより有効性を示すという報告もあるため、このペプチドを合成した。 更にエンドスタチンの血清中の動態を、特発性肺線維症患者の病期や治療薬との関連の中で観察する為に、倫理委員会へ申請するための準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度はin vitroの系で3つの現象に関してそれぞれ系を変え検討しましたが、いずれも有意な結果が得られませんでした。そのため、in vivoの系も用いてマウス血中のエクソソーム由来のmicroRNAに着目し、検討を進めました。このため条件設定などに時間を必要とした事が原因と考えられます。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はエンドスタチンによるmiR-19aの制御が線維化に及ぼす影響を、in vivoとin vitroで確認して行きます。 またエンドスタチン中の特定のアミノ酸配列がより有効性を示すという報告もあるため、このペプチドを合成しました。これを用いた検討も進めて行きます。 さらに倫理委員会を通し、患者検体を用いての検討も進める予定です。
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Causes of Carryover |
初年度に行ったin vitroでの検討の継続は難しく、本年度はin vivoにおけるpreliminaryな実験が多く、このため次年度使用額が生じています。
(使用計画) 本年度に得られた成果を発展させて行くために、引き続きその遂行のために使用して参ります。
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