2018 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of precondition causing direct reprogramming in lung cancer
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17K09676
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
矢澤 華子 (佐藤) 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60438132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 由紀子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (40313267)
矢澤 卓也 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251054)
宮田 千恵 聖マリアンナ医科大学, 医学部, その他(移行) (20613847) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺癌 / ダイレクトリプログラミング / 神経内分泌腫瘍 / POU3F4 / POU4F2 / CDX2 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはこれまで、単独遺伝子導入により非小細胞癌細胞を小細胞癌細胞に形質転換させることに成功し、その形質転換が細胞運命の直接転換(ダイレクトリプログラミング)現象により惹起されること、ダイレクトリプログラミング現象を惹起可能な肺癌細胞は未分化な肺癌由来の細胞に限定されることを明らかにしてきた。そこで本研究では、肺癌細胞においてダイレクトリプログラミング現象が惹起されうる条件について検討することを目的とした。 まず肺腺癌株を用い、CRISPR-Cas9法によるRB1遺伝子のノックアウトを試み、各腺癌株につき複数のクローンの株化に成功した。樹立されたRB1ノックアウト株を用い、上皮間葉転換に関わる分子の発現変化について検索したところ、複数分子において発現亢進が認められた。 次にこれらのRB1遺伝子ノックアウト株を用い、POU3F4あるいはPOU4F2遺伝子を強制発現させ、ダイレクトリプログラミング現象が惹起されるか否かについて検討を行った。その結果、リプログラミングに関連する遺伝子の発現亢進は見られず、神経内分泌形質の獲得も確認されなかった。 また、腸型肺腺癌の分化形質獲得への関与が想定されるCDX2遺伝子導入についても研究を進めた。肺腺癌細胞および大細胞癌細胞にCDX2遺伝子を導入したところ、cytokeratin 20やMUC2など腸上皮に発現されているタンパクの発現が亢進することが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RB1遺伝子編集を行った複数の肺腺癌細胞株に対してPOU3F4およびPOU4F2 遺伝子導入を行うことにより安定発現株を入手でき、ダイレクトリプログラミング現象の有無を確認できたため。また肺腺癌細胞の腸上皮形質獲得にCDX2が関与していることを明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌細胞におけるダイレクトリプログラミング現象は、RB1単独遺伝子編集では惹起されなかったため、TP53遺伝子編集を重複させることにより、ダイレクトリプログラミングを試みていく。リプログラミングを誘導する遺伝子としては、POU3F4、POU4F2、CDX2などを用いていく。
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Causes of Carryover |
残額が少額となったため。残額を含め、分子病理学的・免疫組織化学的解析に用いる。
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