2019 Fiscal Year Annual Research Report
Studies of therapeutic medicines for pregnancy complicated with renal disease
Project/Area Number |
17K09682
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 博 東北大学, 薬学研究科, 名誉教授 (60215829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恵美子 東北大学, 薬学研究科, 准教授 (20466543)
高橋 信行 東北大学, 薬学研究科, 教授 (40588456)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | IgA腎症 / ニコチンアミド / 妊娠高血圧腎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA腎症とは、糸球体メサンギウム領域にIgA・IgGの沈着をきたすメサンギウム増殖性腎炎である。本邦では、原発性糸球体腎炎の約4割を占め、発症20年以内に約4割が末期腎不全に至る。現在の薬物療法は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、ステロイドパルス療法が用いられている。しかしステロイドは感染リスク増加に加え、耐糖能異常・骨粗鬆症等の合併症を生じる。またこれらの薬物や妊婦に禁忌であることから、IgA腎症合併の妊婦では使用の制限がされている。そこで、本研究ではニコチンアミドの(1)IgA腎症に対する治療効果および(2)IgA腎症合併妊娠に対する治療効果を調べた。(1)IgA腎症に対するニコチンアミドの治療効果では、生存率の改善、メサンギウム基質増殖の抑制、腎臓の炎症・線維化マーカーの減少を認め、ニコチンアミドがIgA腎症の進展を抑制することを明らかにした。(2)IgA腎症合併妊娠に対するニコチンアミドの治療効果では、最初にIgA腎症合併妊娠モデルマウスの作製を行った。このIgA腎症合併妊娠マウスへニコチンアミドを投与すると、高血圧、タンパク尿、糸球体病変が改善し、またニコチンアミドが妊娠と胎仔の発育に保護的に作用することを明らかにした。以上のことから、ニコチンアミドが母体と胎仔の両者に有用な効果を持つことを明らかにした。
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Research Products
(13 results)