2017 Fiscal Year Research-status Report
転写因子Tcf21の機能解析を通じた腎線維化の病態解明
Project/Area Number |
17K09687
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
前澤 善朗 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80436443)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹本 稔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (60447307)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 転写因子 / 腎臓発生 / 尿管芽 |
Outline of Annual Research Achievements |
basic Helix Loop Helix(bHLH)転写因子Tcf21は、胎生期において後腎間葉及びそこから分化するCap mesenchymeそして間質細胞に発現する。Tcf21欠損マウスでは腎の低形成を生じるがその機序は明らかでない。そこで我々は、Tcf21欠損マウスを用いて腎臓発生に関与する遺伝子発現について検討した。また、Cap mensenchyme特異的Tcf21欠損マウス(CapTcf21)及び間質細胞特異的Tcf21欠損マウス(StrTcf21)を作成しその表現型を解析した。 さらに、出生後に全身でTcf21を欠損するマウスを作成し、片側尿管結紮モデルを作成して野生型と比較検討した。Tcf21欠損マウスでは尿管芽の分岐に必須であるGdnf,Wnt11,Retの発現が有意に低下していた。CapTcf21マウスではGdnf, Wnt11, Retの発現低下は認められなかったが、糸球体の形成不全を認めた。StrTcf21マウスでは、Gdnf、Wnt11及び尿管芽の分岐数の有意な減少を認め集合管ならびにヘンレのループを中心に、明らかな低形成を認め、このマウスは尿の濃縮障害をきたして多尿を呈していた。さらに、Tcf21欠損マウスのUUO腎では間質の線維化が抑制される傾向にあった。すなわち、間質におけるTcf21はGdnf経路を介し、尿管芽の分岐に重要であると考えられ、また、成熟個体においては、腎障害時に繊維化を促進する方向に働くと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間質とCap mesenchymeにおける転写因子Tcf21の間質発生、尿管芽の分岐における役割を検討し、現在投稿中であるため
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに、間質におけるTcf21の下流遺伝子の同定を行なっていく。現在までに、リポーターマウスとFoxD1Creマウスを交配することで間質細胞の単離を試みており、今後この系を確立し、単離間質細胞を用いて、RNA Seq法にて間質特異的Tcf21KOマウスと野生型マウスの遺伝子発現解析をおこなう。また、現在、 conventional KOマウスの解析で、Bmp4の発現上昇が認められており、Tcf21下流の候補遺伝子と考え解析を行っている。
|
Research Products
(17 results)