2017 Fiscal Year Research-status Report
細胞内低酸素センサーを標的とする慢性腎臓病の治療介入
Project/Area Number |
17K09688
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 哲洋 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90508079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 貴久 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10722093)
稲城 玲子 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50232509)
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90311620)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性腎臓病 / 糖尿病性腎臓病 / 低酸素 / HIF |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、HIF活性化薬であるPHD阻害薬が2型糖尿病BTBR/obobマウスの脂質代謝および腎病変に与える影響を検討した。 生後4週齢より実薬投与を開始した介入群において、総コレステロールや中性脂肪などの血清脂質パラメータは顕著に低下し、血清アディポネクチン値は上昇していた。また、白色脂肪組織において炎症性マクロファージの浸潤が顕著に抑制されていた。 腎病変の評価としてアルブミン尿を測定したところ、介入群においてアルブミン尿が有意に抑制されていた。組織学的検討を行ったところ、実薬介入群において糸球体のIV型コラーゲン染色やF4/80陽性細胞数の減少が認められ、糸球体硬化の抑制や抗炎症作用が推定された。電子顕微鏡観察では、実薬群にて糸球体上皮細胞、内皮細胞の障害が著明に軽減していた。一方、sirius-red染色による線維化の評価やCD34免疫染色による尿細管周囲毛細血管網の評価によって尿細管間質障害の検討を行ったところ、実薬群とvehicle群の間で染色像に優位な差がみられなかった。よって、本モデルではHIFの持続活性化が尿細管間質障害に与える影響は中立的であると考えられた。 次に、HIFの活性化が糸球体保護効果をもたらす最適タイムポイントの検討を行った。自然経過としてアルブミン尿が顕著となる12週齢以降にPHD阻害薬の薬理学的介入を行ったところ、アルブミン尿の減少効果に有意差は認められなくなった。よって、腎症が顕在化するより早期の段階からの治療介入がアルブミン尿抑制に重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は遅滞なく遂行され、当初の作業仮説を支持する研究成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はアルブミン尿の減少をもたらす責任因子・分子機構の同定を試みる。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Global kidney health 2017 and beyond: a roadmap for closing gaps in care, research, and policy.2017
Author(s)
Levin A, Tonelli M, Bonventre J, Coresh J, Donner JA, Fogo AB, Fox CS, Gansevoort RT, Heerspink HJL, Jardine M, Kasiske B, Köttgen A, Kretzler M, Levey AS, Luyckx VA, Mehta R, Moe O, Obrador G, Pannu N, Parikh CR, Perkovic V, Pollock C, Stenvinkel P, Tuttle KR, Wheeler DC, Eckardt KU et al.
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Journal Title
Lancet.
Volume: 390
Pages: 1888-1917
DOI
Peer Reviewed
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