2018 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性腎症に対する新規バイオ医薬TGF-β1 PIポリアミドの抑制効果の検討
Project/Area Number |
17K09716
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
阿部 雅紀 日本大学, 医学部, 教授 (70459890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宜明 日本大学, 薬学部, 教授 (10199896)
福田 昇 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (40267050)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病腎症 / TGF-β1 / USF1 / PIポリアミド |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎症において、メサンギウム基質の増生と糸球体毛細血管壁の肥厚、足細胞の障害、尿細管基底膜肥厚、間質の線維化に TGF-β が関与しているが、我々は新規バイオ医薬 TGF-β1 PIポリアミドがストレプトゾトシン(STZ)糖尿病性腎症に対する抑制効果を確認した。さらに最近、USF1は、髙糖条件でTGFβ1発現を特異的に上昇させる転写因子である事が報告された。2018年度はUSF1に対するPIポリアミドのTGF-β1のプロモーターに対し複数のPIポリアミドを分子設計し、PIポリアミドを島津社製ペプチド合成機PSSM-8を用いて固相合成した。このPIポリアミドをTGF-β1のプロモーター活性、メサンジウム細胞でのTGFβ1 mRNAの発現を検討した。HEK293細胞にTGF-β1プロモータープラスミドを導入し、高糖条件でルシフェラーゼ活性を測定した。ラットUSF1結合E-boxに対するPIポリアミドを分子設計・合成し、ゲルシフトアッセイを行った。メサンジウム細胞での高糖条件下におけるTGF-β1 mRNA発現に対するUSF1 PIポリアミドの効果を検討した。結果としてゲルシフトアッセイにてPIポリアミドのターゲットdsDNAへの結合を確認した。HEK293細胞において、高糖条件下ではTGF-β1のルシフェラーゼ活性は上昇した。メサンジウム細胞において、高糖条件下でTGF-β1のmRNAは上昇し、ラットUSF1に対するPIポリアミドはTGF-β1 mRNA発現を抑制した。このようにUSF1に対するPIポリアミドは高糖条件下において、TGF-β1の発現を抑制した。USF1に対するPIポリアミドは糖尿病性腎症の新規遺伝子制御薬として開発出来ると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度までに、ラットTGF-β1に対するPIポリアミドのSTZラットでの糖尿病性腎症の進展を抑制する効果の実験は終了し、2018年度は高糖状態で特異的にTGF-β1のプロモーター活性を上昇させる転写因子USF1に対するPIポリアミドを複数設計、合成しその内リード化合物を決定し、in vitroで高騰状態でのTGF-β1のプロモーター活性の上昇、さらにTGF-β1 mRNA発現に対する抑制を確認できた。現在、STZ糖尿病ラットにUSF1に対するPIポリアミドをin vivoで腹腔内投与し、糖尿病性腎障害、タンパク尿に対する効果を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
USF1 PIポリアミドのSTZラット糖尿病腎症への抑制効果が確認されれば、off targeting効果評価法、腎髄質のマイクロRNAを行う。さらにヒトUSF1 PIポリアミドの糖尿病性腎症への効果の確認の為、ヒトとゲノム構造に相同性のある霊長類コモンマーモセットにSTZで糖尿病モデルを作成する。さらに薬学部にてPIポリアミドを脂溶製剤化にて除放化し、筋肉注射での組織へのデリバリーと糖尿病腎症への効果を確認する。
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