2019 Fiscal Year Annual Research Report
Suppressive effects of pyrrole-imidazole polyamides targeting TGF-beta1 as novel biomedicines on the diabetic nephropathy
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17K09716
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
阿部 雅紀 日本大学, 医学部, 教授 (70459890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宜明 日本大学, 薬学部, 教授 (10199896)
福田 昇 日本大学, 総合科学研究所, 教授 (40267050)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / TGF-β1 / USF1 / PIポリアミド |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病性腎症の病態にTGF-β1が腎臓の線維化を促進することが知られている。本研究では、TGF-β1遺伝子のプロモーターであるUSF1結合領域に結合しTGF-β1遺伝子の発現を抑制するUSF1 PIポリアミドを用いて、糖尿病性腎症の抑制効果を検討した。 in vitroの培養メサンギウム細胞(MCs)の実験では、25mMの高糖刺激によりTGF-β1のプロモーター活性の増加とmRNA発現亢進を認めた。まず、4種類のUSF1 PIポリアミドの抑制効果を検討しPIポリアミド3でプロモーター活性及びmRNAの抑制効果を認めた。高糖刺激によりTGF-β1蛋白発現は有意に上昇し、10-10M PIポリアミド3投与で有意に抑制した。また高糖刺激でOsteopontinは有意に増加し、PIポリアミド3は有意に抑制した。この結果から、高糖刺激によるMCsの合成型形質転換にUSF1が関わっていることが確認された。MCsにおいて、高糖刺激24時間後では核内におけるUSF1の蛍光免疫染色が増強し転写を促進させていることが示唆された。 in vivoの実験では、STZ糖尿病ラットの病態に対するUSF1 PIポリアミドの薬剤効果を検討した。糖尿病ラットに対して1mg/kgBW/週2回のUSF1 PIポリアミドの腹腔内投与を行った。その結果、16週後の尿中アルブミン排泄量は有意に低下した。びまん性病変や間質線維化が認められ、USF1 PIポリアミド投与によりGIS、TISが有意に低下した。免疫染色においてTGF-β1は糸球体や近位尿細管に局在し、Western blot法で腎組織内のTGF-β1発現はUSF1 PIポリアミド投与により改善した。 以上の結果より、USF1 PIポリアミド3は将来、糖尿病性腎症の治療薬となりうる事が示唆された。
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Research Products
(20 results)